うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

一切なりゆき 樹木希林のことば :樹木希林

一切なりゆき 樹木希林のことば :樹木希林著のレビューです。

一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書)
 

 

 

❖どう読むかは人それぞれだとは思うけれども・・・

 

 

樹木希林さんが各方面でお話しされた言葉の数々を集めた1冊です。
お亡くなりになって追悼番組等いくつか見ましたが、希林さんにしか出せない雰囲気、語り、生き方、どれもこれも惹き込まれるものがあり、いつまでも聞いていられるものが多かった。

 

そのどれもが「すごいなぁ~」「マネできるものではないなぁ~」と思わされるものばかり。特に病気を発症してからの生き方は「強い」の一言に尽きる。こんな風に病気と向き合えるなんてなぁ・・・。

 

最初は楽しく読んでいたのに、途中からやっぱり生の声が聞きたいと淋しい思いが押し寄せる。

 

そして、もし希林さんが生きていたら、このような本を出版することを望まれただろうか?という気持ちがふつふつと沸き上がって来る。

 

色々なことに真摯に取り組んで、こだわって、妥協せず、ひとつの「樹木希林」というカタチを作り続けてきた方であっただけに、その生涯をダイジェスト的に急いでかき集めたような一冊に、何故だか私が虚しくなってしまった。こんな気持ちになるなんて、読む前はつゆほども思わなっかったのに。

 

希林さんが亡くなる少し前、だいぶ昔の「別冊太陽」を読んでいた。着物に関する特集かなにかっだったと思うのですが、そこから伝わって来る雰囲気はやっぱり希林さんの息がかかっていたからこその独特な世界があり、素敵なもので溢れていた。

 

もう居ないから何を言ってもしょうがないし、多くの人々が読みたかった内容である一冊であるのは確かだ。

 

これが人気者の宿命というものかしら。しかし、なんとなく希林さんのお考えから、かけ離れたところにこの本はあるような気がしてならない。

 

 

 

わるい食べもの:千早茜

 わるい食べもの:千早茜著のレビューです。

わるい食べもの (単行本)

わるい食べもの (単行本)

 

 

 

◆何があろうと食べて、食べて、食べまくる

 

 

千早さんの小説は何冊か読んでいるけれど、エッセイは初めてかな?と読みながら気づく。というのも、千早さんのバックグラウンドは知らないことだらけ。村山由佳さんの子分的存在?くらいしか実は知らなかったのだなぁと改めて思う。

いつも楽しませてもらっているのは美味しい物の画像ツイート。本当に食べることが好きなのだなぁということが分かる。甘いモノをそんなに食べて大丈夫?と時に思うのだけれども、そんなことは我関せずと言った具合に次々とツイートされるのです。

なんとご主人は料理人。ということでご自宅の本棚からご夫婦の会話まで食の話題が満載な環境のようです。また、小さい時にお父さんの仕事関係でアフリカに住んでいたということも初耳。その頃の珍しい話なども語られています。

本書は生粋のグルメ本ではない。どちらかと言うと食にまつわる自分語り的なものだ。
通常食べもののエッセイって「おいしそう」「食べてみたい」とこちらの食欲を刺激する類の話が多いけど、千早さんの文章からそれを感じることはほとんどなかった。それが嫌とかいうのではないのですが、ちょっと拍子抜けした感じでした。が、これはこれで良いと思える。

全体的なイメージは「漫画肉を食べている人」。食べて食べて食べまくる。暴飲暴食の日もあれば、泣きながら食べまくる日もある。とにかく食べることが生活の中心にあるような方なのです。

そして主義主張が結構強い方なのだなぁーと感じる場面が多かった。なので、読んでいてその圧が時に疲れる。キリっとした文体にグイグイ自分の意見をぶつけて来る尖った感じは、とってもスパイシーなのです。そんな中、たまにほろっとさせられるマイルドな話が混じっているので読みごたえは確かにあるのです。友人の猫の話が印象的です。

でもね、やっぱり食の本は肩肘張らずに、ゆったりとした気分で読める本の方が好きだな。なんて言ったそばから「読まなくて結構です」とピシャリと言われそうである(笑)

本書で唯一気になった食べ物は岐阜県の「明宝ハム」。東京でも買えるところがあるみたいなので、見つけたら絶対買います!

ということで、千早さんがどんな方なのか知る手がかりになる一冊とも言えます。

 

 

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かえりみち:森洋子

かえりみち:森洋子著のレビューです。

かえりみち

かえりみち

 

 

 

❖かえりみちと言う大冒険

 

こどものころのかえりみちは、自分に何かを課すことが結構あった。
学校から同じ石をずっと蹴り続けて帰るとか、じゃんけんして「パーイ―ナッープール―」「グーリーコー」と大きな声を響かせながら遊歩道でぴょんぴょん跳ねまくっていた。

この絵本はそんな子供の帰り道の世界を描いている。

ページ半分はよくある子供の帰り道の風景。
もう半分は・・・

例えば数段の階段を飛び降りるとき、どんな気持ちで挑むのか。
彼女の頭の中はパラシュートを背負って「いざ!」と、高度何万メートル上空から落下するといった風景が見えているのです。

だから必死です。
だって間違ったら死んでしまうかもしれないんですから。

大人になったら見えなくなる世界や空想というものが確かにあって、それを可視化するとこんな風になるのかもしれません。

それはどこかも判らない異国だったり、いつだか分からない時代だったり、シュールな動物たちが蠢いていたりと、世界をくるくる変えながら目の前に現れます。

ちびっこたちの帰り道はちょっとした冒険なんですね。
だから家に着くまでとっても時間がかかります。
お母さんが出迎えてくれて、一安心。もう日が暮れています。

壁にへばり付いて歩いている子、横断歩道で目を見開いている子などなど、彼らはもしかしたら何かに挑んでいる最中なのかもしれません。

あ、でも酔っ払いの世のお父さんも、
もしかしたら千鳥足でこんな世界を見ているかも?(笑)

 

歩く:ルイス・サッカー

歩く:ルイス・サッカー著のレビューです。 

歩く

歩く

 

 

 

◆あの「穴」の続編もやっぱり面白い!

 

 

「穴」がとても面白かったので、その続編と言うことでこちらにも
手が伸びました。

 

「穴」で登場したアームピットとX・レイという青年たちが主人公というだけで、「穴」を読まなくてもこれはこれで独立した話として楽しめる。

 

この二人はグリーン・レイク・キャンプで「穴」を掘っていた二人。出所したふたりのその後が描かれる。アームピットは造園のバイトをしながら高校に通い、お金をコツコツと貯める毎日を過ごしている。

 

そこへX・レイが、なにやら怪しい儲け話にアームピットを誘う。断ったものの人の良いアームピットは最終的には話に乗ってしまう。そこからはじまる物語は、めくるめく世界へと広がってゆく。

 

やがてあるアイドル歌手とアームピッドが出会い、恋に落ちるという急展開。読者を惹きつける内容へと切り替わる。ん~巧みです!

 

一見、はちゃめちゃな展開とも思えるのだけど、ルイスサッカーの作品の魅力はやはり登場人物たちのどこか憎めないキャラクターと、その関係性の温かさにある。特に今回はアームピットの隣人、脳性麻痺のジニーとの関係は、曇りがいっさいない純粋であったかいものを私たちに運んでくる。

 

そして孤独なアイドル歌手と一般市民のアームピットとの関係性から見える格差をとっぱらった純粋な恋愛模様も初々しい。

 

お金や大人たちの思惑がたくさん渦巻く中、ハラハラドキドキさせられながら、それでも突き進んでいく姿に魅せられました。

 

個人的にはロングスティしていたテキサス州ということもあり、出てくる地名から懐かしい風景が浮かびとても楽しい時間でした。

 

大人の世界と子供の世界が微妙に交錯するルイス・サッカーの作品。
児童書という括りらしいですが、大人も読むべき素晴らしい作品だと思います。

 

 

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オキナワの家 :伊礼智

オキナワの家 :伊礼智著のレビューです。

オキナワの家 (くうねるところにすむところ―子どもたちに伝えたい家の本)

オキナワの家 (くうねるところにすむところ―子どもたちに伝えたい家の本)

 

 

 

◆魅力がいっぱい、オキナワの家!!

 

 

絵本ですが沖縄の家に関しての情報がギュッと詰まった一冊です。これを読めば沖縄の建物が隈なく学習できると思います。観光で訪れてもなかなか民家の中までは見ることができない。石垣の向こう側の家は一体どうなっているのだろう~?そんな好奇心を満たしてくれる一冊でもあります。

図解で示される伝統的な家はとても開放的な間取り。
いつか別の本で知った沖縄の仏壇トートーメ―の置く位置などの由来など、なかなか奥深い話が満載。

家を守るシーサーは全国的にも有名ですが、その配置なども興味深い。そして、魅力的な屏風(ひんぷん)。さらに面白いのはあの世の住まい「亀甲墓」についても掲載されているのも面白い。友人から聞いてはいたけれど、お墓も庭なんかついていて、いや本当、ひとつの「家」という捉え方ができるのではないかな。

その他、なぜ沖縄にはコンクリート作りの建物が多いのか等、歴史から知ることが出来て楽しかったです。

最後にオキナワの家で一番羨ましいのは、「雨端」という大きな軒下空間。
雨の侵入を防ぐだけでなく、夏の強い日差しも防ぐという広い空間。ここで雨音を聞きながら遊べる子供たちは幸せだろうなぁ。

ということで、オキナワの家にお邪魔してきた気分になれる一冊でもありました。