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チェーンメール:石崎 洋司

チェーンメール:石崎 洋司著のレビューです。

チェーン・メール (YA! ENTERTAINMENT)

チェーン・メール (YA! ENTERTAINMENT)

 

 

 

◆虚構の世界で遊びませんか?

 

 

もし、まだ自分が学生だったら、結構こういう世界も
あり得ると思えただろうけど、歳を重ねちゃうと、
チェーンメール」なるものが来ても、「あー新類の
チェーンメールってこんな感じなのか~よく考えるもんだね」
などと、ちっとも怯えず、そして私から誰かにそのメールが
広がることもなく終了してしまう…だろう。


なので、この小説を読んで、すっごいドキドキしたとか
怖かったという感想は持てなかったのだけど、
ネット上の虚構の世界の方が現実より楽しいと感じてしまう
女子中学生たちの微妙な心理などは、自分の学生時代とは
異なる様子だったのでなかなか興味深くはあった。

 

内容はチェーンメールというよりは、知らない者同士が、
ネット上で一つの小説をリレー形式で作っていくというもの。

 

4人の女子学生がかわるがわる一つの小説を書いていくわけだが、
内容はある少女がストーカーに追われるといった設定。


小説の展開を毎日この参加メンバー達は楽しみにしていて、
いつしか現実の世界よりこの虚構の世界にハマって行くとというもの。

 

やがて、お互いのことが気になり、ネットを越えて行こうとするのだが…。

虚構と現実がいつの間にやら混ざっていく感じに読者も
巻きこまれるようなそんな小説。

 

こんな遊び方は現代ならではだし、
逃げ場がネットの世界というのも哀しい現実だ。

 

しかし、彼女たちを取り囲む環境のどこか歪んだ現状や

人間関係を見ると、こういった場に安らぎを求めてしまう
気持ちも解らないでもない。

 

こういうことは一過性のもで、やはりいつかは
現実世界へ戻って行くのだろう…そう思いたい。

…というか、昭和な私はチェーンメールより、
やはり「不幸の手紙」の方が怖い。

 

今もし受け取ったら、やっぱり泣きそうなほどビビるに違いない。
三つ子の魂百まで…って感じですかね?(笑)

男尊女子:酒井順子

 男尊女子酒井順子著のレビューです。

男尊女子

男尊女子

 

 

 

◆もしかして貴女も男尊女子

 

 

「男尊女卑」ではありません、「男尊女子」です。
一字違いでこうも様子が変わるものかと・・・と、
妙に漢字の威力を思い知るというとこからスタートした本書。

今や我が国も「男女平等」であることは当たり前。
しかし、ちょっと前は会社のお茶汲みは女子がしていたし、
さらに遡れば「嫁」=「家の中にいる人」ということで、
女性が外で働くことすら珍しかった時代もあった。

かくゆう私も「お茶汲み」を経験しており、
疑問を抱きつつ4年は辛抱したけど、結局その状態が気にくわず
「男女差のない仕事」に転職した経緯がある。

当時
「なぜ女子がお茶汲みや雑用をしなければならないのか!」と憤っていた私。

しかし、今はどうだろう。
ご近所の旦那さんが週末になると、妻や娘たちの小さい下着を
まとめて洗濯して干している姿を見ては「ええー!!」となる。

友人男子も「そんなの慣れだからなんと思わない」と言っていたけれど、
なんだかとっても居心地の悪いものを感じる私はもしかして「男尊女子
なのではないか?と。

しかし、今時の家族は父親が洗濯するのは普通だし、
やがてその娘が結婚し、夫が洗濯するのも自然な流れ。

せめてパンツだけは、自分でやりたいなど言うのも古いのです。

そう、酒井さんが言うのは、
 

「真の男女平等とは、自分のパンツを父親や夫に洗ってもらって当然、
 と思うことが出来る女性でないと、享受できないもの。」


とのことで、なるほどなぁーと。

自分の長年沁みついて拭いきれていない「古い」部分を痛感し、
思っていることと自分の中で残っている古い部分とのギャップが
まだまだあるのだなぁと思い知る。

本書はそんな「男と女の上下」の関係性を様々な場面を通して考察しています。
そしてそこから、自分の中にもある意外な「男尊女子」な部分を見付けることに
なる人もいると思います。

数十年で随分と変わったように思える社会。
今はどこの会社もお茶は自分で淹れるものになった。

一方、あれだけキャリアウマーンが憧れの存在であったのに、
今は一変し、専業主婦は特権階級の地位へ。
専業主婦を望む女性が再び増えているという。

ここから先、男女のあり方がどう変わっていくのか?
まだまだ過渡期は続くようであるが、ここからさらに数十年後。
洗濯もお茶もすべてロボットがやってくれる時代になり、
「男女平等」という言葉の存在すら消えているかも知れない。

 

 

 

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宇田川心中:小林恭二

宇田川心中:小林恭二著のレビューです。

宇田川心中

宇田川心中

 

 

 

◆ひさしぶりに舞台を観に行きたくなりました。

 

 

又吉さんの本から興味を持ちました。
「ちょっとカバンの中を見せてください」と又吉さんが警察から
薬物の取り締まりをうけたという道玄坂界隈。

 

私もかなり馴染みのある場所で、昔の渋谷に大変興味があったことなどから
一体どんな話になるのかワクワクです。

 

現在のスクランブル交差点で連れ違う少年、少女。
理由もなく惹かれあうところから話が始まり、私達はそこからまるで
タイムトラベラーの如く三つの時代を移動しながら、愛し合う男女の

様々な試練を目の当たりすることになります。

 

渋谷宮益町の小間物屋の娘はつと、道玄寺の若い僧侶の昭円。
この二人の恋愛話から、時代は遡っていき、道玄坂の名前の由来ともなった
大和田道玄の話からどんどん話が広がって行きます。

 

全体的に会話で構成されているので、内容はヘビーなのですが
サクサク読めてしまいます。

 

時代が時代なだけに、すぐに首をはねたり、ちょっと信じられない出来事も多く、
ずっぽり話にのめり込めなかった部分も結構ありました。

 

というのも後半、見せ場を多くしたかったのか、バタバタ色々な
ことが起こりすぎて、ん~~ちょっと盛り込みすぎて、くどさを

感じてしまいました。

もう少しスッキリ終わっていれば、私的にはジーンと
来たかもしれないな。

 

「生まれ変わってもまた出会う」「愛とはつまるところ約束なのだ」など
ロマンチック炸裂!

 

そんな内容から、ちょっと松田聖子を思い出してしまう自分もなんだか…。
(ってここで持ち出すのもなんですが、何故かあの涙の記者会見の映像が
見えてしまって)こういうのも嫌いじゃないし、縁ある人とは巡り合うって
いうのも信じたいと思う私。

 

でも、より心を揺さぶられたのはこっちかな~。

 

「生きながら地獄に落ちてこそ女なのさ。地獄におちてない女なんて、
眠っているのも同じさ。女が目覚めたら、そこはいつだって地獄なのさ。」

 

梅と言う毒婦が吐いたこの言葉に、ゾクッと来ます。

 

この話は、恋愛、ファンタジ―、時代もの等々、色々な要素が

含まれているのでどんな方にも入りやすいと思います。

 

けどやはり、舞台で観たいなぁーという気持ちが強く残りました。

そして、鈴虫の鳴き声が響きわたり、瀬音が聞こえる道玄坂
嗚呼、ひと目だけ、ひと目だけでもいいから見てみたかったな。

 

 

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