うずまきぐ~るぐる

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明治ガールズ:藤井清美

明治ガールズ:藤井清美著のレビューです。

明治ガールズ 富岡製糸場で青春を

明治ガールズ 富岡製糸場で青春を

 

 

 

◆「わたし、富岡製糸場に参ろうと思います」

             という少女の一言からはじまる世界。

 

 

富岡製糸場で働いた信州松代出身の少女たちの
日常を描いた小説です。

 

・・・とは知らずに借りて来た本だったので、
途中で「あれ?これどこかで聞いた話だ!」と。
そうそう、「富岡日記」です。

 

富岡につくられた官営富岡製糸場へ伝習工女として
向かう15人の少女たち。

故郷を離れるシーンが印象的でしたが、
今回もここでピンと来たという・・・(笑)

 

富岡日記はもう少し暗めなトーンだったと記憶していますが、
こちらは少女たちの幼さや瑞々しい様子が盛り込まれ、
たった1年と数か月の出来事であるにも関わらず、
彼女たちが一回り大きく成長した姿が窺える。

 

色々な思いをもって富岡に出立した彼女たち。
集団生活での人間関係や他県からやって来た少女たちとの確執等、
思い悩むことも多い。

 

個人的には主人公の英が自分で紡いだ糸が、

フランスでどんなものになって売られるのか

知った時の感動するシーンが好きです。

 

やがて故郷の製糸工場で教えるという使命がある少女たち。
ラストの英の選択は最後の最後までドキドキさせられた。

 

さっぱりした読み心地でありながら、富岡製糸場のはじまった当初の
様子が解りやすくイメージでき、読み物として入りやすかったです。

 

10代の少女たちの未来に力強さと明るさを感じられ
清々しい気分で読了です。

 

美人の正体 :越智啓太

美人の正体 :越智啓太著のレビューです。

 

美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学

美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学

 

 

<本が好き!の献本書評です>

 

 

◆私の知らない美人の世界

 

 


「美人には美人なりに悩みがあるのだ」ということをよく聞くが、
そんなある意味贅沢な悩みをせっかく生まれて来たのだから
一度くらいは味わってみたいと思ったりする。

 

こんな経験をしたことはないだろうか?
誰もが認める美人+幾人かいる場所で話す時、話題に関わらず
結構な確率で美人に目を合わせて話している人が多いということを。

 

これは、男性のみならず同性の女性もですから、

「美人の吸引力」はやはり凄い!と驚かされる。

私なんぞは会話そっちのけでみんなの視線の方向に

つい注目しちゃいます。

 

美人にとっては日常茶飯事で、もしかしたら、

視線がウザッたいなんてこともあるだろう。
まとわりついてくる視線の嵐。んーどんな気持ちなのか?
…と、「もし美人だったら私…」という妄想が止まらなくなりそうです。

 

さて、本書は美人についてのあれこれの憶測や噂など、
気になるテーマを取り上げ、きちんとデータ分析を行いその実態に
迫って行きます。国内・海外から集めたデータ量はかなりのもの。

 

テーマは誰もが興味を持てるようなものが多く、ちょうど、
明石家さんまさんの「ホンマでっか!?TV」のような感じだ。

 

・バストが大きい女は頭が悪い?
・高校生のとき美人だった女の子は「玉の輿」に乗れる?
・ウエストがくびれている母親から生まれた子供は知能が高い?
・夫婦は暮らしているうちに似てくるのか?

 

等々、面白いテーマが続々と登場するので、最後まで
気軽に読めてしまう。

 

全部で10章、各章の最後にその章で書かれたことが

コンパクトにまとめられているので、小難しさは

一切なく読み切れます。

 

上記、ウエストのくびれなど、「顔」だけではなく全体の
プロポーションや髪の色についても分析。ひいては、「排卵期の
ラップダンサーのチップが多くなる」など、人間の本能とでも
いうのか…なかなか神秘的で奥深い調査などの報告も

読むことが出来ます。

 

そうそう、本好きにとって興味深い面白データ

「ハーレクインロマンスに登場する職業ベスト20」。

女性の求める男性の職業から読み解くのだけど、

これも意外な職業?がランクインしていて面白い。

 

今まで面白半分に聞いたり、話したりしてきたことが、

実験やデータ分析により、様々な憶測が現実的なものになり

「なるほどなぁ~」と納得した部分が多かった。

 

さて、「美人は得か?性格は良い?頭はいいの?」
…是非この本を読んでもらいたい。


そして、平凡が良いか、美人が良いか…

無駄な妄想を愉しんでもらいたい。

 

私はというと…

やっぱり「美人体験」をしてみたい気持ちは相変わらず。
「この本のデータを総括した完璧な美人になる魔法」に

かかってみたい。

一度「美人体験」したら案外気が済むかも?なんて、

結論を自分なりに導いてみた。

乗りかかった船:瀧羽麻子 /文豪の女遍歴:小谷野敦 【ショートレビュー⑧】

 ◆乗りかかった船:瀧羽麻子著のレビューです。

乗りかかった船

乗りかかった船

 

 

 

造船会社のお仕事小説でした。
船を造るという大仕事に関する細かな話かなーと思ってたのですが、
どちらかと言えば人間ドラマがメインだったように思う。

 

船を造ると言っても、全員がそれに関わっているわけではなく
営業職もあれば人事の仕事などもある。本社だけでなく地方に
転勤している社員もいる。


船を造るという仕事に憧れて入社しても、必ずしも直接関わる仕事に
就けるとは限らない。そんなサラリーマンならではの

世界を描いている。

 

短編で繋がる話には各主人公が登場する。みんなそれぞれの

悩みや想いを持って仕事をしていることを中心に淡々と物語は進む。

 

取り立て大きな波乱があるわけではないのだけど、
なんとなくじんわり来る話が多かった。

 

特に最終話の親子の話は親心と子供が親をいたわる気持ちが
良かったかな。

 

「適材適所」

━━━この言葉が最後まで頭の中を占領していたな~。

 

 

 

◆文豪の女遍歴:小谷野敦著のレビューです。

文豪の女遍歴 (幻冬舎新書)

文豪の女遍歴 (幻冬舎新書)

 

 

赤裸々な性愛の記録とやらでしたが、参考文献の寄せ集め的で
特にこれといった驚きはない。


筆者の好みとか熱の入れようによってページ数を割いているものと
そうでないものとの差が激しいのもなんだかな。

 

あまり深く追及する類のものでもなく、いわばWikipediaの文豪版
といった感じででサラっと読んで特に感想も持たずに読了。

 

ちょうどこの時、伊藤野枝の生涯をたっぷり描いた
瀬戸内さんの本を読んでいたせいもあって、
かなり物足りなさを感じたのも否めない。

 

取材を含めその人物のことをどこまで追い求めて本にしたかが
気の毒なくらい如実に差が出てしまった感じだった。
辛口で申し訳ないが....。