うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

小鳥来る日 :平松洋子

小鳥来る日 :平松洋子著のレビューです。

小鳥来る日

小鳥来る日

 

 

 

◆平松さんのエッセイを読むと、途端に日常が楽しく思えてくる

 

 

久しぶり平松さんのエッセイを読みました。
日常生活から抜き取るアレコレが、平松さんにかかると

本当に面白く感じるのは相変わらず凄いなぁーと感じます。

 

うひゃひゃ!と思わず声が出たのが「靴下を食べる靴」。

これ、経験がないとなんのことやらって感じでしょうが、

あるんですよね。靴下を食べてしまう靴って!

 

歩いていると、かかとの方から、少しずつ少しずつ

靴下が脱がされるというアレです。気づいたら素足がのこるばかり。

 

そして、平松さんが言う通り、すべての靴下が

好物というわけじゃないという点も大きく共感!

そうそう、あの違いは何なのだろうと。

 

この話、最終的には身につけるものとの相性の良し悪しが

あるということにまとまるのだけど、こういう些細な出来事でも、

本人とっては不可解なことって日常多かったりしますよね。

 

「靴下を食べる靴」という見事なタイトルを付け、

読者を引き付けるあたりが、やはりプロだなぁーと思うのであります。

 

とにかく、アンテナの感度もすごく良い方なのでしょうねぇ。
どこへ行っても、人々のちょっと面白い会話をキャッチし、

見逃さないという。そして、感じたことを、平松さんらしい

キリッとした言葉とテンポをもって表現されるあたりが

読者をヤミツキにさせちゃうんだな。

 

平松さんのエッセイを読むと、途端に日常が楽しく思えてくる。
エッセイはこうでなきゃって、シンプルなことに気がつきました。

 

~~おすすめエッセイ~~

玉子屋のおばあさん
・フライパン人生、やり直し
・レース編みのすきま
・月曜の朝の煩悩
・日曜の朝はパンケーキ
・ひよこの隊列、ごきげんさん
・モンゴルの草原の奇跡

 

※本書、毎日新聞の日曜版に掲載されていたそうです。

 

 

uzumaki-guruguru.hatenablog.com

uzumaki-guruguru.hatenablog.com

uzumaki-guruguru.hatenablog.com

 

更級日記 :川村裕子

更級日記 :川村裕子著のレビューです。

更級日記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

更級日記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

 

 

◆乙女度が高い日記です

 

 

旅、本、恋、等の話題が意外にも多く、この日記は
とっても乙女度が高い。
特に作者の菅原孝標の娘は「源氏物語」を愛読書にする文学少女

 

いつか自分のもとに光源氏のような素敵な男性が目の前に

現れないかと、目をウルウルさせる夢見る少女だった。

その姿が微笑ましくって「うんうん」と彼女の話を聞いているような
感覚で読み進めました。

 

この日記はそんな彼女の生涯を綴ったもので、少女期から
53歳までの回想録。少女から母親へ、そして老後へ続く
一連の生活風景は現代に通ずるものがあります。
無邪気な子供時代に比べ、後半はそれなりの人生の
重みが実感できる内容です。

 

作者の父菅原孝標上総国(千葉県)での任期を終え、
一家で京都に引き上げていくところから書き始めます。

 

私はこの少女時代の日記が好きです。彼女はいつも物語に没頭し、
物詣でに行っても真面目に祈らず、不信心のまま、ひたすら
物語に浸っています。

 

彼女の憧れは「浮舟」のように男性に隠されて

「花、紅葉、月、雪」といった自然に浸りながら生活し、

たまにくるお手紙を待ちながらひそやかに暮らすということだった。

 

そんな夢見る少女はやがて、乳母や姉の死、父の単身赴任による
別離などを経験して、大人の女性になります。

 

ここで彼女の履歴と日記の流れを記しておきます。

 

第一章 旅の記       (13歳)
第二章 都での生活    (13歳~31歳ごろ)
第三章 宮仕えから結婚  (32歳ごろ~37歳)
第四章 物詣での記    (38歳~47歳ごろ)
第五章 晩年        (48歳ごろ~52歳ごろ)

 

印象としては、この時代にしては婚期が遅かったことや、
晩年と呼ぶ時期が恐ろしく早いといったところでしょうか。

 

第三章はやっとキャリアに目覚めたのも束の間、

親の勧めで結婚することになるのですが、

仕事か結婚かと悩む姿は現代人そのもの。

 

彼女は結婚しますが、パートタイムという形で宮仕えもしている。
そこで素敵な男性・資道と出会う。「もし結婚していなかったら…」と
悔やむ乙女心。

この男性の登場時期は読者が喜びそうな絶妙なタイミング。
今後どうなるのかワクワクします。さてどうなるのか?

 

現実の厳しさを知り、やがて第四章の中年期です。
ここでは気持ちを入れ替え、家庭を大事にする良い妻、良いお母さんへ。
そして娘時代の反省も含め真面目に物詣でに励みます。
仏様を信じるようなり夢占いなども登場。

 

晩年は、最愛の夫の死により悲しみのどん底へ。
しかし、この日記を書くことを思いつくのもこの時期でした。

 

華やかさや大きなロマンスはないけど、時代が違えどなんとなく
心的に親近感を覚える内容で、好きなパターンの古典でした。

 

自分のこととはいえ40年にも及ぶ日記とはたいしたもんですよね。
自分がこの年齢に達した時、思い出せることがどのくらい
あるのだろうか?そう思うと彼女の記憶力ってスゴイと思うのです。

 

他の日記もこのシリーズで制覇しようと思います。

 

※「更級日記」の「更級」は、作者の夫の赴任先、
 信濃国更科という地名に由来。

6日目の未来 :ジェイアッシャー

6日目の未来 :ジェイアッシャー著のレビューです。

6日目の未来 (新潮文庫)

6日目の未来 (新潮文庫)

  • 作者: ジェイアッシャー,キャロリンマックラー,Jay Asher,Carolyn Mackler,野口やよい
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/12/01
  • メディア: 文庫
  • クリック: 26回
  • この商品を含むブログ (10件) を見る
 

 

 

◆アメリカの青春ドラマそのもの!未来の自分へ会いに行くと…

 

 

15年先の自分は一体なにをしているのだろうか?

…と訊かれてもピンと来ないんですが、これが高校生くらいの

年齢の自分だったらきっと色々なことが想像出来たんじゃないかな―

と思う。

 

まずこの小説。

アメリカ青春ドラマが好きで見ていた方には、非常に情景が浮かび易い
環境というか設定です。かくゆう私もアメリカのドラマ好き。

「ビバヒル」にハマり、その後続々とこの手のドラマを見てきたので、

その雰囲気をまさか小説で味わえるとは…と、心が弾みました!

 

それと、インターネットが家庭に入って来た当初の様子に

「そうそう、そうだった。」と懐かしい気持ちでパンパンになります。

 

本書あとがきにも書かれていましたが、AOLの着信メッセージ

「 You've Got Mail 」であったり、ダイヤルアップの接続で

電話とネットが一緒に使えなかったり、安い時間帯にネットをしたりと、

これらちょっと前といった感覚なのに、もう小説になってしまうほど

時間は流れ、ネット環境もどんどん充実したことが感じられます。

 

1996年、まだフェイスブックのない時代のはずだが、

高校生のエマとジョシュはネット繋いだことにより、

この不思議なサイトにアクセスしてしまう。

そこに書き込まれていた内容は15年先の未来の自分。

 

その未来の行方は自分の思い描いたものなのか?
そのことを巡って二人はジタバタするのです。そして、その行く末は…。
特に誰と家庭を持ちどんな生活が待っているのか?


未来を変えてしまいたいほど、結婚相手に不満足を

感じてしまったら、みなさんならどう行動しますか?

 

喧嘩したり、くっついたり、日々ハプニングの連続といった感じが
アメリカの青春ものっぽく思わずニヤリとしてしまう。

そしてピザとかドーナツとか、いかにもな食べ物もたっぷり登場してきます。

 

と、なんだかいろんなことが思い出される小説だったなぁ。
ネットに対してのあの頃のトキメキはもうないけど、

世界と繋がったあの瞬間の感動は初恋を思い出すみたいな

淡い感情が漂う。

 

そしてここからの15年。

フェイスブックツイッターはどんな風に変化していくのだろうか?

 

15年前があっという間であったように、15年後もすぐやって来る。
「あー、あの頃はまだ紙の本を読んで手打ちで書評書いていたなぁ…」
このサイトで書いてきたことを、こんな風に眺めるのかな?まさかねぇ…(笑)