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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

イギリス文学紀行 :那須省一

イギリス文学紀行 :那須省一著のレビューです。

イギリス文学紀行 ディケンズ、オーウェルからブロンテ姉妹まで―名作ゆかりの地をさるく2

イギリス文学紀行 ディケンズ、オーウェルからブロンテ姉妹まで―名作ゆかりの地をさるく2

 

 

 

◆ イギリス文学への旅の切符を手にして…

 

 

★本が好き!の献本書評です。

 

読書の楽しさを知った者たちは、次々に新しい作品に触れてはさらなる
新しい作品に出会いたくて行く先のない文学の世界をゆらゆらと漂う。

 

世界中どんな小さな国でも歴史があり、どの時代にも優秀な作家が居て、
素晴らしい作品の数々を後の世に残してゆく。日々読書をしているにも
関わらず、本書を読んでいるとこんな単純な当たり前なことに驚き
感動をします。

 

今回この献本に申し込んだのは特別イギリス文学が好きだからではなく、
むしろこの本を読むことによって、新しい読書エリアを広げて
みたかったから。

 

ところがどうだろう。ただ単に広げるというよりも、読んでいるうちに、
あの作品もこの作家も文化や習慣も…と果てしなく興味が広がってしまい、
なんだかとてつもない「大穴」に自分は落ちてしまったかも知れない…と、
ちょっと大袈裟だが思ってしまった。

 

たったひとつの国の文学を覗いてみただけなのに、こんなにも読書の
世界が広がってしまうことに脅威すら覚えました。

 

本書には誰もが一度は聞いたことがある作家や作品が
取り上げられている。随分前に読んだものもあるにはあったのですが、
「え?そんな話だったんだ!」と、だいぶ印象が違うものから、名前は
聞いたことがあるけど男性か女性かすらも正直知らなかった作家まで、
どれもこれも新鮮な学習をさせてもらった感じがします。

 

単にイギリス文学の紹介であったら恐らく最後まで読み切る
ことが出来なかったかと思うのですが、本書は美しい名所の写真、
ちょっとした休憩のようなコラムなどを上手く取り入れ、それでいて
その作家の代表作の見どころやバックグラウンドが
きっちり紹介されているので、最後まで退屈せずに読み進められます。
特に作家たちの生涯は作品以上の物語を感じさせられる迫力が
あるものが多かったです。

 

本書を文学ガイドとしてまず読み、紹介された名作を読んで、
それから本書を持ってイギリスに向かう。そして、ゆかりの地を訪れる。
こんな使い方が出来る万能本です。

 

もし、イギリスへ向かう飛行機の中でこの本が読めたら…
それはものすごく幸せな時間になるだろうなぁ…と思うのです。


というわけで読み終える前に、堪え切れず購入してしまったのが
ダニエル・デフォーの「ロビンソン漂流記」。
それから、著者の那須さんがこの作品を読みながら思い出したという
吉村昭の「漂流」も続けて読んでみたいなぁと。

 

今回の読書は私にとって新しい刺激と、果てしなく広くて深い大穴に
落ちてしまったな…という嬉しい気分を味わいました。

 

イギリス文学のちょっとした下地を作ってくれたのもこの本。
しばらく教科書代わりになりそうです。

 

そして、この本とともに、私の文学の旅もまだまだ続く。

 

 

鬼畜の家:深木章子

鬼畜の家:深木章子著のレビューです。

鬼畜の家 榊原シリーズ (講談社文庫)

鬼畜の家 榊原シリーズ (講談社文庫)

 

 

 

結末云々よりその過程に面白みがある小説

 

 

タイトルからしてなにやら残酷な恐ろしい世界を

想像していたのですが、意外にも冷静に淡々と

読み進められたように思う。

 

ミステリーは苦手というほどではないのだけれども

内容が複雑すぎたり、あまりにも理不尽すぎるものだと

途中に投げ出してしまうことがよくある私にとって、

本作は展開にメリハリがあり楽しめたほうじゃないかなーと。

 

ある家族がみるみる転落してゆく様子が描かれる。

医者の父、妻の郁江、優秀な長女・亜矢名、

母のお気に入りの長男・秀一郎、そして次女の由紀名。

 

父親が亡くなったところから、少しずつこの一家は崩壊してゆく。

いや、父が生きていたころから、すでに不穏な空気に

満ちてはいたのだけれども。

 

保険金、殺人教唆、資産収奪・・・等々、物騒なことが相次ぐのは、

強欲な母親のしわざと思わされる数々のシーン。

溺愛する息子との関係性や亜矢名の謎の転落死など、

前半は明らかにこの母親が鬼畜なのだと確信せざる得ない状況であった。

 

しかし、この話の核であった母親が車の事故であっさり同乗していた

息子と一緒に亡くなってしまう。

さぁ、一体これからどうなるのであろうか?

 

犯人だと思っていた母が亡くなったことにより、

またまた振り出しに戻されたような気持ちではあるが、

それはそれでまた面白い。

 

家族の最後に残った由紀名にスポットが当たる。

彼女は事故死であった保険金が下りないということで、

元刑事の探偵・榊原を紹介してもらうことになる。

 

榊原はこの一家に関わりのある人々に会いに行き、

様々な証言を集め真相を探る。

 

そして、最終的に由紀名の口から信じがたい証言を

引き出したのだ。

 

なんとなく途中で結末は見えていたが、なんというか、

結末云々よりその過程に面白みがある。

特に個々のインタビューから浮かびあがる家族の実態が

やけに生々しく、知りたい意欲を掻き立ててくる。

 

ブックオフで見つけた1冊。初めて見る作家さんの名前では

あったけれども、表紙につられて買って正解だった。

自分的にはミステリーはこのくらいがちょうどいい。

 

 

花のベッドでひるねして:よしもとばなな

花のベッドでひるねして:よしもとばなな著のレビューです。

 

花のベッドでひるねして

花のベッドでひるねして

 

 

◆幹ちゃんは、ばななさんがこれまで描いた中で

               一番かわいい人なんですって!

 

 

すごくふんわりしたタイトル。
きっと癒されるだろうと開くと、むむ。
1ページ目から飛び込んできた一文にいきなりドキリとさせられる。

 

「海辺でわかめにくるまっているところを拾われた捨て子のあかちゃん」

 

ユニークなはじまりだけど、捨て子みたいだし…。
いきなりふんわりモードから目が覚めるようなはじまりに、
悲しい予感を感じさせれたけど、内容はむしろ淡々とした日々の中から、
少しずつ小さな幸せが絞り出されていくような雰囲気の小説でした。

 

あとがきで知ったのですがこの作品は、ばななさんがお父様を
亡くされた時に書かれたそうです。

 

だからかなぁ。悲しみの中から溢れ出したという胸に沁み入るような言葉が、
あちこちのページかこだましてくるのです。

 

実際、ばななさんは書くことで悲しさを忘れようとひたすら、
ほとんど無意識に書いたと言っています。

 

淋しい期間が過ぎた今頃になって、すごく自由を感じる。豊かなものがあるのよ。
どうしてだかわからないんだけど、失くせば失くすほど、もう一方で
ふくらんでいくものもあるのかもしれない。でないと計算が合わないよね。

 

すごく抽象的な表現だけど、大事な人を亡くした経験のある人には
一方でふくらんでいくものって感覚的に理解できるのじゃないかなと思う。

 

ばななさんの多くの作品は、淡々とした中に、自分がどう表現したら

良いのかわからない気持ちや、初めて知る感情を的確に言葉に

してもらえる心地よさがある。
作品を読めば読むほどその心地良さに埋もれてしまうのだ。

 

この小説の主人公・幹の家族になった人々をはじめ、

この村で起こる数々の不思議な出来事、廃墟や風変りな隣人など、

ちょっとしたミステリーテイストも味わえますが、やはり読後に

残るのは肩の力が抜けるような温かい感情でした。

 

ばななさんの作品の中でもこの小説はお気に入り度が

高いものになりました。

 

ところで、この小説の主人公・幹ちゃん。
ばななさんが描いたなかでもっともかわいい人なんですってよ。
ね、ばななさんファンは気になりますよねぇ~。

 

 

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