うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

孤島の祈り:イザベル・オティシエ

孤島の祈り:イザベル・オティシエ著のレビューです

孤島の祈り

孤島の祈り

 

 

 

無人島、守るべきは愛する人?それとも自分?

 

 

相手の本当の人格が解ると言われる旅行。
普段の生活環境と違った場所で見えてくるいつになく頼もしい姿に
感動することもあれば、逆に幻滅し、もうこりごりと別れに至ってしまうこともある。

その究極版ともいえる状況を表した本書。

30代夫婦リュドヴィックとルイーズ。
彼らは惰性で生きているこれまでの日常から抜け出し、
「これぞ人生」という体験をと長期休暇を取り大海原へくり出したのだ。

南極近くの美しい無人島。
その島に魅了され、ほんのひと時を過ごす予定で降り立った。
しかし、突然の嵐に出遭い、敢え無く船がどこかへ流されてしまう。
そこから無人島でたった二人の生活が始まる。

最初は廃墟となった基地の修復をするなどどこか気楽なムードがあった。
唯一の食糧源であるペンギンやアザラシを捕らえ、それを食することも覚え、
まずは生存できる道が開けた感があったが、やがて明日が見えないという
果てしない絶望という深い闇が容赦なく襲いかかる。

イライラ、焦り、不安、相手に対しての不満爆発・・・・。
まだまだ互いにぶつかり合っている間は良かったかもしれない。

やがて一緒に居る人がどんどん無気力になり、痩せ細り、
「死」を感じさせられる姿になる。

それをじっと何も出来ず見ていなければならない状況ほどの恐怖はない。
いっそ一人の方がこんな思いもしなくて済んだかもしれない
なんてことまで考えてしまう。

サバイバル的なシーンの迫力・生々しさは言うまでもない。
しかし、本書の見どころは究極の環境において人の心理が
どのように変化していくかにあった。

楽天的なリュドヴィック、慎重派のルイーズ。
この対局な二人の性格の違いが各々の行方を左右したようにも思える。

愛し合う二人が最後まで寄り添って・・・
なんて美しい話では終わらなかったことだけは記しておこう。

第一部「向こう」、第二部「こちら」という構成になっています。
第二部で二人のその後が描かれている。

ということで、二部についてもあれこれ書きたいところだが、
ネタバレになってしまうので控えます。

最初はもっとお気楽な漂流ものを想像していましたが、
何というか、強烈に「生」を欲する小説であった。

 

 

 

ボーダーを着る女は、95%モテない! :ゲッターズ飯田

ボーダーを着る女は、95%モテない! :ゲッターズ飯田著のレビューです。

芸能界人気No.1占い師が見抜いた“運”のサイン111。ボーダーを着る女は、95%モテない!

芸能界人気No.1占い師が見抜いた“運”のサイン111。ボーダーを着る女は、95%モテない!

 

 

 

◆ええーーー?と思いながらも、次々ページをめくってました。
         人間ウォッチング好きな方は検証したくなるかも!?

 

 

この本はテレビで紹介されていた本で、

実際、街で本当かどうか検証し、的中していたのが面白かったので

借りてみました。

テレビの検証ではボーダーを着た女性に「彼氏いますか?」と
質問し、その答えがほぼ「いない」という返事。
確かに当たっているような…

何を根拠にこんなことを…と思っていたのですが、この作者、
占い師をやっていて、恋の悩み相談をしに来る女性がやたら
ボーダーを着ているというデータからということです。

私はてっきり、この題材を掘り下げて書かれた本なの
かと思ったのですが、中を開いてびっくり。

1ページに1格言といった具合で、111のこのような分析結果が
出て来ました。
いくつか紹介してみますと、

 

頑固な人は痔になりやすい(的中率60%)
耳の長い人は長生きをする(的中率80%)
真ん中のトイレを使う男は金持ちになる(的中率65%)


このように格言、的中率、そして解説が書いてあります。

大まかなカテゴリーは
恋愛・女性編 恋愛・男性編
性格・性質・嗜好編
身体的特徴・体質編

 

に分けられています。まぁなんというか、「えー違う」というものから、
「今度観察してみよう」と思うものまであって、結構楽しいです。

ちなみに私達のような本好きは…

 


本の好きな人はドMが多い(的中率60%)

 

ええーーー?どっ、どうですか??

 

それにしても、ちょっと意地でもボーダーはしばらく着たくないと
思った1冊でした。

 

 

雪舞:渡辺淳一

雪舞:渡辺淳一著のレビューです。

新装版 雪舞 (文春文庫)

新装版 雪舞 (文春文庫)

 

 

 

◆古さを全く感じなかった小説。ギリギリの決断の先にあるものは…。

 

 

この小説は、今年出版されたものとばかり思っていたのですが 
実は昭和48年に書き下ろされていたということを 
最後のページをめくるまで全く気づきませんでした。

 

通常、昔の本だと内容的に「あ、あの頃だな」など 
その本から 漂うムードとか、単語ひとつでも分かることが
多いものですが、気がつかないくらい古さを感じさせない内容、
そして文章。

 

ご本人も小説と同じくいつまでも若々しくいらっしゃるのは
書くことと何か連動しているのでしょうか?

この話は若い医師が、助かる見込みのない幼い脳障害の子供と
その両親にとってどうすれば最良な選択になるのか?
必死に考え、もがき決断を迫られ、やがて独断で手術を決行
するところから話が進んでいきます。

果たしてその先には希望は見えるのか…。

手術のシーンは 凄い迫力でした。麻酔医のとの連携。
看護師の交代で経過時間を知る、大量に吹き出る汗の様子など
具体的すぎるほど具体的で、瞬きをするのももどかしいくらい
読み進めました。

こういう病院の話は、わりと患者側の立場に感情を
置きがちな私ですが「雪舞」では 医師という一人の人間の立場に
ずっぽり感情移入してしまいました。

自分の判断ひとつで他人の命の行方が変わってしまう世界。
医師の精神的疲労の行方はどうなっているのかな…。

舞台は北海道。
若い医師と患者の母親との微妙な関係には
いつもこの装丁のような雪がしんしんと舞っている
雰囲気がずっと流れていました。

 

 

 

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小説家ぶー子イギリスを行く: 村山由佳

小説家ぶー子イギリスを行く

  別冊付録:ぶー子のスケッチブック:村山由佳著のレビューです。

小説家ぶー子イギリスを行く 別冊付録:ぶー子のスケッチブック
 

 

 

◆現在の村山さんの生活スタイルに通じるものをとても感じる旅本

 

 


旅の本は比較的新しく出版されたものを読みたいと思っているのですが、
今回はイギリスというより、「村山さんの旅行スタイル」の方に興味が勝り、
2000年、つまり18年も前に書かれたものではあったけど、
手に取ることができました。

 

村山さんの現在のお住まいを知っている方は多いと思いますが、

すごいんですよね~。
とにかく、大きな家・庭に加え、内装やインテリアに至るまで
日本離れした雰囲気なんです。うっとりさせられるアンティークの世界。


小物はもちろん、ドアひとつとってもこだわりを持って集めていらっしゃる
お部屋の様子にいつも羨ましく眺めさせてもらっています。

 

そんな村山さんがイギリスへ!そう、アンティーク雑貨の宝庫に
長期旅行となれば、当然、いろいろお店や市に行かれるだろうと。
しかも、本書は別冊で写真集が付いているので、その様子も

楽しめるときています。

 

ということで、村山さんと(当時の)ご主人M氏が1997年秋と、
1998年初夏にテレビ取材を兼ねて訪れた時の2回にわたる旅行日記の
ようなものになっています。

 

非常に興味深かったのは、当時のネット環境事情です。
まだ、PCの持ち運びが主流ではなかったという時期の苦労話が懐かしくて面白い。

 

宿に着くとまず電話のモジュラー・ジャックを探し、そして、苦戦してネットに
繋ぐ作業。繋がった時の感動等々、ある意味手に汗握るシーンが宿替えするごとに
繰り返される。やぁー大変な時代でしたね(笑)

 

あと、ロンドンからあちこち車で周ってゆくのですが、M氏が腰痛に苦しむ。
後にヘルニアと判明するわけだけど、前半の旅は、イギリス情報と

M氏の病状とが交互にやってくる感じで、非常に気が抜けない状況に。
しかし、不謹慎だけどそれがまた面白い仕上がりになっています。

 

というか、村山さんの口調が砕けているというか、今と違った雰囲気。
本書のタイトルも「らしくない」感じがしたんですけど、キャラが随分
変わったのかしら?時間の流れを文体からも感じずにはいられませんでした。

 

さて、骨董品に出会う場面も思った通り楽しく拝見。
特に写真の方は、どんなものが売っているのか、

目を細めて隅々まで・・・(笑)

 

「歴史上の人物が、ふいに立体的に立ち上がってくる瞬間。
それを味わえるから、私はその人の遺した品々を見るのが好きなのだ。」


立体的に立ち上がってくる瞬間・・・分かるなぁ~。
詩人・バイロンの邸宅を訪れた時に漏らした村山さんの一言。

村山さんが古いものを愛し、大事にしているのはこの言葉から
すごく理解できます。

 

そして、話は最初に戻りますが、現在の村山さんのお宅の雰囲気と、
本書でお宅訪問された家の雰囲気が非常に似ていることからも
この時に見たもの、触れたものが、今の村山さんの暮らしに

通じているのだということが分かります。

 

感受性豊かな時期に出来るだけ外に出て、色々なものに触れ
目を養っておくことって大事だなぁ・・・と、改めて思うのだった。

 

ということで、ここには書き切れないほどの人との出会いや
美味しいとはいえない食事事情などを含め、読み終えたころには
すっかり英国へ行った気持ちに。楽しかったです! 

 

 

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死の島:小池真理子

死の島:小池真理子著のレビューです。 

死の島

死の島

 

 

 

尊厳死とは?

 

 

もう一度この本を読めるかと問われたら、答えはNOかな・・・と

感じるほどやはり重い一冊だった。

 

末期がんの男性の最期をどう迎えるかという内容。

元来、病気ものを読むのが苦手な私は、チラッとあらすじを読んだ時

ものすごく迷ったのですが、小池さんの小説を逃すのは忍びなく

思い切って読んでみた。

 

病気の壮絶なシーンはさほどなかったけれども、

やはり死が近づいてくる怖さは否めない。

肉体的にも精神的にも自分の死を受け止めて残りの時間をいかに過ごすか。

 

主人公の男は元編集者、69才。家族もないという状況で病気を背負うことになった。

彼は退職後にカルチャーセンターで小説執筆の講座を担当していたが、

その仕事も打ち切って静養生活へと移るわけだが、教え子である若い女性が

男を慕い距離を縮める。

 

スタバでお茶をしたりしていたが、だんだん病状が悪化してくると

彼女は買い物や食事の介助するようになる。

二人の間も恋愛ともいえるような感情も芽生え始めるわけだが

それも束の間。彼は別荘に一人で最期の時を迎えようと彼女から

離れてしまう。

 

病院での死を選ばなかった彼の最期の形は、ん~ちょっとリアリティの面を

考えるとどうなのかな?って正直感じてしまった。

 

尊厳死とは?━私自身、このことについて不勉強というのもあって、

この小説のラストはちょっとしたしこりが残った感じがある。

 

ラストはともあれ、死が近づいてくる中、恋愛のような恋心を持てる

瞬間があったという人生はちょっといいなと思った。

 

表題の「死の島」、主人公の昔の恋人の遺品として登場した絵画。

読後にネット検索してみた。なるほど・・・この小説同様、なんとも言い難い

ゾクゾクする陰鬱さがあるのだけれども、目が離せないような雰囲気があった。

 

 

 

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