家族も知らないほんとうの姿
自分が働いているときの姿を、身内に見られるのは、なんとなく気恥ずかしいものがある。とはいえ、実際、わたしは見られたことはないのだけど。
家族と一緒に仕事をしている方は別として、一体、家族がどんな表情で、どんな風に仕事と向き合っているのか。イメージはできても、実際のところはどうなのでしょう。
うちではダラ~ンとしているお父さんも、小うるさいお母さんも、甘ったれな妹も、
一歩外に出たら、家族には見せない違う顔がきっとある。
他人が加わった方が案外うまくゆく?
久しぶりに一緒に暮らすことになった娘と父親を描いた小説。
すでに実家を出て伊藤さんと同棲している娘。
お父さん74歳、伊藤さん54歳、あたし34歳。
今まですれ違って生きてきたゆえに、ぎくしゃくした親子関係。
他人の伊藤さんが加わることによって意外にも救われる部分が多い。
そして徐々に見えてくる娘の知らないお父さんの別の顔、お父さんの秘密。個性豊かな登場人物たち、軽快な会話、ストーリー展開、一気に引き込まれる作品です。
しばらく離れている家族と、突然また一緒に生活をする日が・・・。
肉親だからこそ大変という覚悟、出来ていますか?
そんなことを問われる作品でもあります。