村岡花子童話集 たんぽぽの目 :村岡花子著のレビューです。
軽快なリズムを感じる童話
「シンプル。素朴。優しいしゃべり口調。どこかお茶目。軽快なテンポ。」こんな言葉が浮かぶお話が多い。
ドラマは見なかったけど、この童話から、村岡さんのお人柄が伺える。
26ある話の中にきっと自分のお気に入りが見つかることでしょう。
私のお気に入りは、花にまつわる「鈴蘭の花」と「朝顔の花」。
これらの花が、なぜ、あのような形になったのかを描いた話なのですが、これがなんともチャーミングな内容で、本当にこういう実話があったのかも?・・・と、大人の私にも夢をもたせてもらえるような素敵な話でした。
子供を諭すものから、シュールなものまで
ほかにも、部屋を片付けない女の子を上手に諭すような内容のものもあり、この話を読んだ子供たちは、自発的にお片づけをするようになるんじゃないかな~。
くすりと笑ってしまったのは「みみずの女王」に出てくる太ったみみず。その名は「フト子」。
あたしのように立派なからだをもっているみみずは、どこにもいやしない。
と、いばりん坊のフト子の行く末は・・・すごーくシュールな話です。
全体的に植物や動物が登場する話が多く、ひとつの話は長くても10ページ程度。テンポよく読めるのがとても心地良い。
ブームが去っても、村岡さんの本、ずっと読み継がれるとよいなぁ・・・と、願っています。