うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

蛇行する月 桜木紫乃

 蛇行する月 桜木紫乃著のレビューです。

蛇行する月

蛇行する月

 

 

駆け落ち、極貧、でも幸せである彼女の人生

 

1984年から2009年までの話。

道立湿原高校で同じ図書部員だった清美、桃子、美菜恵、直子、順子の卒業後の様子を綴った内容で、前作「無垢の領域」と比べると個人的にはかなりスルスル読める作品でした。

気だるさ、錆びた感じ、どうしょうもない女の業・・・・
「来た来た来たー」と、徐々に桜木さんのドロンとした世界に
連れて行かれました。

20歳も年の離れた男性と駆け落ちした順子。
その後の実生活はよれよれのTシャツを着ているほど極貧で
決して羨しいものではないのだけど、どんなに生活が大変で
疲れているように見えても「しあわせ」と言いきる彼女のその自然さに、ドキッとさせられるものがある。

このまっすぐな感じがある意味怖くもあり、またそうさせているものはなんだろう?と考えさせられる。

お金持ちだけど、なんだか殺伐して淋しそうな人もいるけど、
順子はそのま逆な存在。

 

着地点から見る「しあわせ」の在り方

 

本書を読んでいて「しあわせ」の形をあれこれ考えてたけど、
色々あっても最後の「着地点」なんだなぁ。

順子の着地点はどこか桜木さんの処女作「ラブレス」の主人公に
通じるものを感じる。

不幸だからより輝くしあわせ。
最期に心から想える人がいることのしあわせ。

本人だけが知っている真のしあわせに圧倒されるのだ。

桜木さんの根っこ、原点を振り返るような作品になっていると

思います。