町家えほん:松井薫著のレビューです。
興味津々、入ってみたいな!町家。
京都の景観維持の徹底ぶりにはいつも驚かされるが、やはりそこまでやっているからこそ、いつ訪れても変わらぬ歴史的な安心感のようなものを感じられるのだろう。
本書で名称を初めて知ったのだが「犬矢来」。
私はこの囲いを見ると、「あ~京都に居る」と実感する。
そして、いつも中の様子がまるで分からない建物の構造が気になってしかたないのだけど、表からはなにも見えないというちょっとミステリアスな雰囲気。
ピシャリと閉じられた戸の向こうは、一体どんなことが?シーンとした町からいろーんな妄想にふけりながら歩くのも京都ならではだなぁ・・と思う。
さて、そんな建物の謎解きのような絵本。
絵本と言ったって、その内容の充実さから大人の豆知識本として十分通用する。
可愛い福ねこさんとお豆さんが町家のことを隅から隅まできっちりレクチャーしてくれています。
上から見た間取り図を理解したうえで、一部屋一部屋案内してもらえます。
色々な角度からの目線で描かれていて、けっこうな臨場感。
そしてほっこりした絵は細かいところまで凝っています。
・町家うつりかわり
・格子でわかるお商売
・町家らしいもの
・はしりにわの工夫
・変幻自在な町家の戸
等々…小ネタが満載で、町家マニアになれそうです!
さぁ、福ねこさん、お豆さんに可愛いおもてなしを受けてみませんか?気持ちもふっくらしてきますよ。