泡沫日記:酒井順子著のレビューです。
中年以降の初体験、実は結構あるもの
酒井さんの日記のようなエッセイです。
震災前後からの話なので、ちょっと時差がありましたが、
酒井さんのお母様や、お婆さんが亡くなった話などが出てきて、
「あぁ…ここ数年、酒井さんも大変な時期だったのだなぁ」と
感じさせられました。
そして、今回のテーマともいえる、中年期の初体験の数々。
そうか…初体験と言えば、年の若い人たちの言葉といった
感じがあるけど、長く生きれば生きるほど、なるほど初体験は
色々な形でやってくるものなのだなぁと、興味深く読みました。
初白髪染めを買うとか、お葬式の弔辞を任されるとか…
中年以降になると再び初体験が多くなることを、
酒井さんの鋭い目を通して語られて行きます。
毎度のことですか、日常に起きるとても普通のことでは
あるのですが、こうしてまとまった文章を読むことによって、
いろんなことを再確認させられます。
「シモ友」ってなーに?
そして、酒井さんと言えば女友達の話。
今回は「シモ友」。酒井さんの友達選びの基準の一つらしい。
これは、「下ネタレベルが同程度」ということで、
なんか分かるような。
まぁ、下ネタも一緒に話せる仲ってことは、気を許している
証拠ですものね。
そのさじ加減はやはり仲間うちによっても微妙に違うのも分かります。
それにしても「シモ友」ってネーミング。よく考えるなぁ~。
この話が登場する場面はまるで近くで女子会を聞いているようでした。
かなりエグイです。
そんなこんなで、今回のエッセイは目頭が熱くなったり、
クスクス笑ったりと、気づいたら一気読みでした。