読まされ図書室:小林聡美著のレビューです。
感想
凝った演出!買った本も図書館本だ!?
読まされ図書室とは一体?と、よくわからないままスタート。
で、ページを開くと・・・・
あれ?図書カードが!!なんで?
よく見ると、カードには、お名前が連なっています。
「うわっ、井上揚水さんも借りたんだ!」って!
凝ってますねぇーこの本。
カードに書かれたお名前の方々は、推薦人の方たちなのだ。
本書は推薦人が小林さんにある本を薦め、小林さんがそれを読んで感想のようなエッセイを書いてゆくといった構成。なので、小林さんが自ら読もう、読みたいといった本ばかりではないという、ちょっとしたヒネリがあって面白いところ。
推薦人の方の年齢層も幅広く、本のジャンルも様々だ。
「オバケのQ太郎」から「股間若衆」なんかも登場し、推薦本もなかなかの強敵。
わたしの知っている本はごくわずかで目次だけ見ると取り立てすぐに読みたい本はなさそうだ・・・なさそうだ・・・・なさそうだ・・・。と、思っていたけど、これまた小林さんの話を読んでいるうちに妙に興味が出てきてしまうという困った展開に。
なかでも、長塚圭史氏の推薦した「茶色の朝」という本。
小林さんは「BCGの針の圧よりも静かでこわい圧」と言っている。もうこれだけでなんだか興味が湧いてしまう。
選書も 変わっていれば、小林さんの言葉にも思わずやられてしまう。この二重の攻撃を上手く潜り抜けないとならないのが辛い(笑)
「オバケのQ太郎」なんかも、読んでいる小林さんが楽しそうで、思わず自分もその楽しさに便乗したくなるほど。こちらは、小林さんも相当楽しかったらしく、「読まされず、自発的に読ませていただきたいと思う」と括っていた。
この本を通して、小林さんの交流関係も見えてくる。よしもとばななさんとの対談では、最近の小林さんの生活ぶりやお人柄がも見え隠れしています。
さてさて・・・・
「読まされ図書室」、小林さんだけでなく、この本を手にした人もきっと「読まされる」という罠にひっかからないよう、くれぐれもご注意を!
思ったより穴は深かった(笑)
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