りすぼん:松原卓二著のレビューです。
リスのグラビア誌!?
ここ1年くらいエゾリスのツイートに釘付けになっている。
毎日流れてくるリスの姿がまるで自分の家の庭に遊びに
来たみたいな感覚で楽しんでしまっているのがちょっと
悲しいところだが、それでも、日々の写真から思わぬ
発見があったりする。
先日図書館の入り口にあったのがこの本。
このかわいこちゃんの前を素通りできるわけもなく・・・・。
単なる写真集だと思っていたのだけど、写真と一緒に
語られる話が妙に面白い。
作者のリスへの強烈な気持ちが暴走しまくるあたりが
それはもう(笑)
しまいには、「○○君は、世界で一番かわいい」だの、
「申し訳ないが○○君より断然○○君の方がかわいい」など、
リス内でのかわいさ格付けがはじまっちゃっている。
(○○君って言うのはリスの名前です。)
斎藤さん、ミミカケ君、たつ子、青年、首太君(くびぶとくん)、
めめ子、いっぽん君…等々それぞれの特徴から
つけられた名前。
四季にともない変化する彼、彼女たちの生態に迫っていく。
と言ってもそんな難しいことじゃなく、「こんなポーズをするよ」
とか、「いい笑顔」など、リスがめっちゃ笑っている顔が
続々と登場したり。
なんというかリスのグラビア誌のよう・・・(笑)
また「部品紹介」と言って、鼻や口や手のひらや爪などパーツごとに
大きく引き伸ばした写真でリスの細部までじっくり・じっとり観察。
鼻、触りたい~~
爪は凶暴そう~~
ヒゲは年取ると白くなる~~?
夏のツルツル期の顔と、冬のもふもふした顔。どっちも可愛い。
モミの木の実を食べて口の周りがデロデロになっている姿も可愛い。
しっぽを雨傘かわりに使う姿も可愛い。
かわいいという言葉以外出てこなくなる腹立たしさw
って、なにもかも可愛いのがなんともニクイ!
ひどいじゃないの、リスは「可愛い」という言葉で
私の頭の中をいっぱいにして他の言葉を奪ってゆく。
実際こんな子たちが庭にウロウロしている生活だったらと思うと
恐ろしい。何も手につかなくなりそうだ。
作者の松原さんは、富士山麓の別荘地でニホンリスの
観察・撮影を続けて来たそうだ。個体を識別するのは
難しいとのことだが、それでも10匹以上、松原さんは
識別できるようになったそうだ。
そんな可愛い仲間たちの魅力を、余すことなく私たちに紹介。
リスがいまにも話しかけてきそうな感じの写真が多い。
きっと松原さん、リスと対話しながら撮ったのだろう。
写真って撮っている人の想いがこんなにも伝わって
来るもんなんだなぁ。
特に生きものが被写体の場合、その熱量がものすごく
感じられるから不思議。
さて、うちにはこんな可愛い子たちが訪れる気配はまるでないので、
明日からまたツイッター内に来てくれるリスの観察に勤しもう(笑)