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【レビュー・あらすじ・感想】銀のうさぎ:最上一平

 

 

銀のうさぎ:最上一平著のレビューです。

銀のうさぎ (新日本少年少女の文学 23)

銀のうさぎ (新日本少年少女の文学 23)

  • 作者:最上 一平
  • 発売日: 1985/01/01
  • メディア: 単行本
 

 

感想・あらすじ かんべんよ。かんべんよ。心の中でこだまする。

 

「銀のうさぎ」はかわいがっていたうさぎが、「毛皮買いの商人」の手に渡ってしまうという、胸が絞られるような話で、その様子が幼い少女の目を通して描かれている。

 

容赦ない。

 

うさぎを連れて行くだけならまだよかった。しかし、この話は、少女の目の前でうさぎは毛皮を剥がされ、無残な姿に・・・。

 

毛皮のなくなったうさぎ。
(かんべんよ。かんべんよ・・・・)
動くこともできずに変わり果てたうさぎを見ている少女。

 

やるせない気持ちを少女はじいちゃんに向ける。大人はなんともないのか?と・・・。しかし、じいちゃんだって悲しかったのだ。そして、「銀のうさぎ」のことを教えてくれたのだ。

 

 

 

 

なんともいえないシーンが続きましたが、当時うさぎは生活を支える収入源だったいうことも忘れてはなりません。本書で多くは語られていませんが・・・。

 

6編の話は筆者の最上さんが育った東北が舞台になっている。どれも静かに情景が浮かび上がるような雰囲気があり、しんしんと寒さの中を歩いているような感覚があった。

 

全体的に杉みき子さんの作品と雰囲気が似ていて、見知らぬところなのに、どこか懐かしく感じる世界が広がっている。

 

最上一平について

1957年、山形県生まれ。『銀のうさぎ』(1984年、新日本出版社)で日本児童文学者協会新人賞、『ぬくい山のきつね』(2000年、新日本出版社)で日本児童文学者協会賞、新美南吉児童文学賞、『じぶんの木』(2009年、岩崎書店)でひろすけ童話賞、『たぬきの花よめ嫁道中』(2018年、岩崎書店)で日本絵本賞受賞。作品に『すみれちゃんとようかいばあちゃん』(2021年、新日本出版社)などがある。黒井健-1947年、新潟県生まれ。新潟大学教育学部卒業。1983年に第9回サンリオ美術賞、2006年に第20回赤い鳥さし絵賞を受賞。主な絵本作品に『ごんぎつね』(1986年)『手ぶくろを買いに』(1988年)『あのね、サンタの国ではね…』(1990年、いずれも偕成社)、『まっくろ』(2021年、講談社)、「ころわん」 シリーズ(1986年~、ひさかたチャイルド)など多数ある。2003年、山梨県の清里に自作絵本原画を常設する「黒井健絵本ハウス」を設立(Amazonより)

この作品は中学校の入試試験にもなったそうよ。

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