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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

銀のうさぎ:最上一平

 銀のうさぎ:最上一平著のレビューです。

銀のうさぎ (新日本少年少女の文学 23)

銀のうさぎ (新日本少年少女の文学 23)

 

 

かんべんよ。かんべんよ。心の中でこだまする。

 

「銀のうさぎ」はかわいがっていたうさぎが、
「毛皮買いの商人」の手に渡ってしまうという、
胸が絞られるような話で、その様子が幼い少女の目を
通して描かれている。

容赦ない。

うさぎを連れて行くだけならまだよかった。
しかし、この話は、少女の目の前でうさぎは
毛皮を剥がされ、無残な姿に・・・。

毛皮のなくなったうさぎ。
(かんべんよ。かんべんよ・・・・)
動くこともできずに変わり果てたうさぎを見ている少女。

やるせない気持ちを少女はじいちゃんに向ける。
大人はなんともないのか?と・・・。

しかし、じいちゃんだって悲しかったのだ。
そして、「銀のうさぎ」のことを教えてくれたのだ。

なんともいえないシーンが続きましたが、
当時うさぎは生活を支える収入源だったいうことも
忘れてはなりません。本書で多くは語られていませんが・・・。

6編の話は筆者の最上さんが育った東北が舞台になっている。
どれも静かに情景が浮かび上がるような雰囲気があり、
しんしんと寒さの中を歩いているような感覚があった。

全体的に杉みき子さんの作品と雰囲気が似ていて、
見知らぬところなのに、どこか懐かしく感じる
世界が広がっている。