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【レビュー・あらすじ・感想】レッツゴーばーさん!:平安寿子

 

 

 レッツゴー・ばーさん!:平安寿子著のレビューです。

レッツゴー・ばーさん! (単行本)

レッツゴー・ばーさん! (単行本)

  • 作者:平 安寿子
  • 発売日: 2014/12/08
  • メディア: 単行本
 

 

感想・あらすじ

ここ最近読んだ本のなかで一番震えた!?

 

意外でしょうが、ここ最近読んだ本で、一番怖かった本のように思える。
ホラー本は本を閉じたら終わるけれど、この本は本を閉じたところから恐怖が始まる。
しかも他人ごとではなく、自分の身にも将来必ず起こる。
だからリアルに身震えしちゃいます。

 

本書は60歳になった独身女性・文子の「老い」にともない起こる様々な現象を綴ったもの。60歳はまだばーさんではない。彼女はこの年代を「プレばーさん」と呼んでいる。

 

「ばーさん・ビギニング」からはじまる話は、記憶力減退、老眼、ドライアイ、骨そしょう症、五十肩、めまい、身体の砂漠化、加齢臭、髪の毛の薄毛、白髪、転倒骨折、内臓の衰え、中性脂肪・コレステロール・高血圧と薬に頼る生活。自分の更年期と親の介護など、精神的な負担もかなりのものだ。

 

ひぃ・・。まだまだあったなぁ。羅列すると、薬の効能書きを読んでいるみたいだけど、この本、どのページを開いても、このようなワードが目に飛び込んで来る。

 

 

 

 

経験を語る人々もさまざま。
文子の仕事仲間の40代の女性の話、文子の先をゆく65歳兄嫁の話、また、生き方も考え方も違う文子のプレばーさん仲間たちの話と、それぞれのケースで語られる。

 

クスリと笑える話から、かなり固まってしまう話まで、そのバリエーションといったら。ある程度のことまでは知ってはいたけれども、こんなにも生々しく語られると、「年を取るのが楽しみ~」なんて、とても言えたもんじゃない。しかも心当たりのあるものもチラホラと。

フン、怖がれ、怖がれ。老化を怖がるのが、若いってことなのさ。

こちらの気持ちを見透かしているように文子さんは叫ぶ。また、若い頃のツケが回って来るとも語られている。「うわぁーーー!!若い時の不摂生な生活を帳消しにしてくれーー!」と、叫んだところで時すでに遅し。

 

とにかく、足腰、インナーマッスル鍛えて、骨はスカスカにならんように、努力しないとなぁ。しわ、たるみ?もちろん嫌だけど、健康あってなんぼの老後。

 

 

 

 

最期の究極のロマンとは?

 

さて、身体の不調はあちこちあっても、

「わたし、お迎え近くなったら、ヤブでも若くて可愛い医者に診てもいたい。毎日、手を握ってもらって、ぐーっと顔を接近させて、まだ息してるか確かめられたりして、ときめきながら死ぬって、いいじゃない」「この人の手にかかるなら死んでもいいって、究極のロマンスよね。」

 

医者との付き合い方も究極はここまでくるのか・・・って女の人ってどこまでも貪欲なものだなぁーと、クスクス笑ってしまった。

 

サザエさんのフネさんも自分のお婆ちゃんも、私の中では子供のころからずっと「お婆ちゃん」だった。それは若いころの姿を知らないから当然なわけだけど、彼女たちもまた優しい笑顔の裏では身体に起こる色々な敵と戦って来たのだなぁ・・・と、女性の先輩たちの姿を思い浮かべてあらためて感心した。

 

はぁ・・・読んでいるだけで息切れしたけれど、とても参考になった。怖いくらい参考になりました(震え声)私にはこの本、○○健康法とかの本よりかなり説得力があったように思える。