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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】ショートショート・マルシェ:田丸雅智

 

 

 ショートショート・マルシェ:田丸雅智著のレビューです。

読書ポイント☟

食にまつわるショートショート。どのはなしもちょっとだけ心拍数が上がるような驚きが潜んでいる。「麺づくり」が「MEN作り」だったら?ちょっと怖い。

感想:作品の組み立て方も面白い

ショートショート・マルシェ (光文社文庫)

 

ショートショート・マルシェ (光文社文庫)

 

まったくの個人的な印象なのだけれど、田丸さんの3冊の短編集を今年は立て続けに読んで、「理系っぽいなぁ」と感じていた。(実際、工学部ご出身)

 

今回解説を読んで、「ほぅ・・・なるほど」と膝を叩いた。
泉のように湧き出すかのごとく次々に創り出される田丸さんの創作活動が、一体どんなものであるのか、その謎が少し解けた。

 

田丸さんの作品の一部は、なんとエクセルなどを使っているとのこと。単語と単語を組み合わせるそうなのだ。

 

細かいやり方は是非解説を読んでいただくとして、なかなかシステマチックで、素人でもこれならなんとなくチャレンジできそうな気がして来るのです。要は組み合わせ次第で思わぬ世界が出来上がるのですね。そんな田丸さん、講座も開催され大人気だそう。

 

 

 

さて、今回は食いしん坊が好きなテーマ、食べ物にまつわるショートショートです。今回も奇抜な話に「うーんうーん」と唸らせながらの18編。

 

「MEN」なんて話は、MENを作ってしまうんですよ!「麺作り」かと思いきや「MEN作り」・・・ってそっちかーーと、キリキリした気持ちに(笑)

 

どの作品も1編につき2度ほど「おぉ」と、心拍数が上がったような瞬間があった。「お腹のビール」なんかはお腹からビールが出ちゃったり、「差し歯」にトウモロコシが代用されたりと、食べ物の話ではあるけれど、ちょっとシュールなものも紛れこんでいて、「ひぃーーー」となることもしばしば。

 

そんなこんなで、マルシェの中は忙しい。
はやく抜け出したいような、もう少し居たいような・・・そんな世界が広がっています。