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砂の女:安部公房

 砂の女安部公房著のレビューです。

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

 

 

恐怖の砂地獄

 

閉所恐怖症気味の私にとって、この小説は思った以上に
恐ろしいものでありました。

砂穴の底から出られない・・・軽く考えていましたが、
砂の恐怖は想像以上の威力をもって、男と女の生活に
入り込んで来る。

体に降り積もる砂。
口の中に入り込む砂。
水がなくなる恐怖。
砂掻きをしなければ、埋もれてしまう家。

ザラついた感覚が来る日も来る日も襲ってくる。
嫌だからさっさと読んでしまえばと思うのだが、
砂が重くてなかなか前に進めないもどかしさ。
一刻も早く抜け出したいという焦燥感。

 

来る日も来る日も頭の中は砂のことばかり・・・

 

結局、読み終えるまで5日間も要した。
毎日ページを開く都度、「まだやってるのか」と、
ため息とともにどっと疲労感が襲ってくる。

砂底で当然のように暮らし、特に希望も持たない女の家に
閉じ込められたひとりの男。

男は監禁状態の中、様々な手段を使って、脱出を試みるが
ことごとく撃沈する。

穴の上には村人たちがやってくるが、決して助け出してはくれず、
ふたりの生活を監視し続ける。
もう全てが嫌過ぎ、ギャーー―と叫び出したくなる生活なのだ。

しかし逃亡を試みては失敗を繰り返した末、男には

ある変化が訪れる。
それはとても意外な心境の変化なのです。

この男はその後どうなったのか?新たな希望を見出せたのか?
本当の恐怖はひょっとしたらこれからはじまるのかも知れない。
ラストの裁判所の書類もなかなかの演出ですな。

安部公房初読みでした。
んーなんでしょう、低音質でドズドズ響いてくるような
読み心地とでもいうのでしょうか。
繰り返し襲って来るジワジワ感が、他にない恐怖心を煽られました。
ひどく疲れましたが、なんとなくまた読みたくなるような・・・。
独特な世界観を持つ作家なのだと感じました。

砂時計とか・・・
あの小さな硝子の管に自分が閉じ込められたような

感覚に陥った小説。
汗にはりつく砂なんてもう最悪!考えただけでもキィーとなる。
はぁー当分、砂関係は近寄りたくない心境である。