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言葉屋:久米絵美里

言葉屋:久米絵美里著のレビューです。

 

言葉屋 言箱と言珠のひみつ (朝日小学生新聞の人気連載小説)

言葉屋 言箱と言珠のひみつ (朝日小学生新聞の人気連載小説)

 

 「言葉を口にする勇気」と「言葉を口にしない勇気」どちらも大事。

 

「言葉を口にする勇気」と「言葉を口にしない勇気」を
あつかうお店「言葉屋」。

小学5年生の詠子のおばあちゃんは町の小さな雑貨屋さんを

営んでいます。
季節の柄のレターセットや、ガラス製のペンや、

世界中から集められた色とりどりの布地と刺繍糸。

ハンカチ、香水、トランプ、タロットカードなど
かなーり、大人の私でもそそられるお店。

雑貨屋のかたわら、おばあさんの家には工房があり、
言葉屋という仕事もしています。

詠子はなかなか繊細な女の子で、思ったことをポンポン

言えるようなタイプではなく、それゆえいつも言いたいことを

言えないことが多い。

そんな彼女はあることがきっかけで「言葉屋の言珠職人」の

見習いとして、おばあちゃんのもとで修行することになる。

物語の前半は言葉屋の話、後半は詠子とクラスメイトの風景で、
個人的には「言葉屋」云々より、詠子が淡い恋心を予感させられる
内容に心が躍った。

詠子とクラスの男子との密かな本の貸し借りは、
その中に手紙を忍ばせるというもの。
これが結構ハマるというかすごく良いのです。
なんだかキューンとなって教室の匂いまでもが懐かしく
思い出されるような(笑)

メールじゃなく、手紙。
本の間に挟むなんて古典的で素敵すぎる!
それを渡すタイミングをあれこれ悩んだり。
その淡いやり取りに、お姉さん、大興奮でした!

もう現代はメールと言う手段があるから、好きな人が書いた

文字なんかも見る機会がめっきり減ったと思うけれど、

この物語では、好きな人が書いた文字をじっくり見るという

奥ゆかしさがあって、ふふふってなるのです。

やはり乙女心には手書きの手紙が似合うなぁー。

言いたくても言えない言葉。
どんなに言いたくても言ってはいけない言葉。

言葉屋の修行をしながら言葉について考え、

クラスメイトたちとの関わりの中で少しずつ詠子の成長する姿が

実感できる物語。

特に思春期、言葉を呑みこんでしまっている少年少女は

きっと多いはず。
逆に大人になると、言わなくていいことをつい言ってしまって
禍を招いてしまう人も。
心当たりのある方は、是非、「言葉屋」を訪れてみては(笑)