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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

BAR追分:伊吹有喜

本の紹介(女性作家あ行)

 BAR追分:伊吹有喜著のレビューです。

BAR追分 (ハルキ文庫 い 20-1)

BAR追分 (ハルキ文庫 い 20-1)

 

 

新宿の裏路地にて・・・

 

新宿三丁目の交差点付近の路地裏にあるBAR(バール)追分。

昼は定食やお茶が楽しめるバールで、夜はバ―になるという
本当にちょっとありそうな小さなお店の風景を描いた小説。

ねこみち横町の奥にあるこのお店。
昼間は可愛いらしい女店主。夜は白髪のバーテンダー
お客さんをもてなしています。

プロローグから4つの話が展開される。
シナリオライターを志す青年の生活、結婚する娘と父親の
ちょっと切ない話、「ねこみち横丁振興会」の人々等々、
登場する人々の様々な人生模様を覗きながら、
いつしか誰もがこの町の雰囲気が好きになっちゃうような
気持ちの良い小説。

 

人間模様だけでなく、食欲も刺激され・・・。

 

なんというか人々のサラッとした優しさが心地良いのです。
ベッタリ馴れ馴れしいといったものではなく、適度に
相手のことを観察しつつ、本当にしんどそうな時に、
さっと動いて手を差し出してくれるような・・・
そんな大人の人情みたいなものがほんのり伝わって来ます。

また、追分という場所と人生の分岐点が自然に浮かんで来ます。
ずっとここに留まってはいないであろう人々の分岐点などを
考えながら、次々と紹介されるお料理とお酒に思い切り
食欲を刺激されまくりました。

カレーが食べたい、ジンが呑みたい、秘密のお風呂にも行きたい!
と、すっかり「ねこみち横丁」の一員になった気分で読了です。

伊吹有喜 さんの「なでし子物語」が大好きなのですが、
この小説はそれとはガラッと雰囲気が異なり、
色々な顔を持った作家さんなのだなぁーと感じました。

余談ですが、私はずっと新宿のゴールデン街のイメージで
この話を読んでいました。
しばらく行ってないけど最近どうなんだろう?