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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

感情8号線:畑野智美

本の紹介(女性作家は行)

 感情8号線:畑野智美著のレビューです。

感情8号線

感情8号線

 

 

環状八号線沿いの町を舞台に繰り広げられる女性達の姿

 

ウマイタイトルだなーと、手にした作品。
環状八号線は私もよく利用する。
この 道路に沿って、電車が走ってくれると
とても便利になるんだけどなぁーといつも思うし、
実際そんな話もあったけれども、結局、この縦のラインは
車やバスで移動するしか移動手段がないという。

本書はそんな環状八号線沿いの町を舞台に繰り広げられる
女性達の生活を描いたもの、

荻窪」からはじまる話は「八幡山」「千歳船橋」「二子玉川
上野毛」「田園調布」へとバトンタッチしてゆく。

その土地のもつイメージというのがあると思うのですが、
新しいマンションが建ち並び、お洒落な町として人気上昇中の
二子玉川とか、お金持ちの住む田園調布とか・・・。
そこに住む典型的な「像」を主人公にして小説が描かれる。

片想い、DVの恋人、新婚夫婦、お嬢様の恋愛等々、
どれも身近にありそうな20~30代女性たちの問題を
取り上げている。
登場人物たちは、どこかで少しずつ繋がっている設定。

 

◆近いのになかなか辿りつけないところ

 

どの女性もう~ん、幸せになりたいと望んでいるけど、
なかなか到達できないもどかしさを含む。
すぐそばに幸せがあるのにその距離は遠い。

そう、それは環状八号線そのものなのだ。
車で行けばすぐのところなのに、電車だと遠回りしないと
行けないところ。

短編でサクサク読めるのですが、結構しんどい話もあり、
決して爽やかな恋愛小説ではない。

その後・・・的なものを読んでみたいと思う。
彼女たちが40代、50代になった設定のものを。
おそらく環状八号線沿いに住んでいる人は居ない気がする。

いつかは近道も覚えて、このモヤッとした感情から
卒業しているんだろうな・・・と思ったのは私だけかな?