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雪だるまの雪子ちゃん:江國香織

 雪だるまの雪子ちゃん:江國香織著のレビューです。

雪だるまの雪子ちゃん (新潮文庫)

雪だるまの雪子ちゃん (新潮文庫)

 

 ◆「私は雪だるまの雪子よ。あなたはだれ?わたしになにかする?」

 

このタイトルの可愛さに「おっ!」。
装丁の色彩に「おっ!」。
そして挿し絵は銅版画家の山本容子さん。
「うん、読む!」と、装丁を眺めること数秒。
私のことを瞬殺した本です。

美しい村の山のふもとに雪だるまの雪子ちゃんは
一人で住んでいます。雪子ちゃんはみなさんの知っている
普通の雪だるまじゃないのです。野生の雪だるまです。

好物は冷たいバター。
雪子ちゃんがバターひとなめするシーンが何度も
出て来るのですが、その姿かたまらない。
たまらないったら、たまらない!

雪子ちゃんは本も読む(ふり)し、学校にも気が向けば
行くし、お隣の百合子さん、雑貨屋のたるさんと、
氷を浮かべた「たらい」に浸りながらポーカーだってします。

「ぼくの小鳥ちゃん」に出て来た小鳥ちゃんと
ちょっぴりキャラがかぶります。雪だるまなのに、人間と
対等に会話する姿や振る舞いが似ています。
ちょっと気取った感じの口調も微笑ましい。

が、やはり、野生の雪だるまということで、
その生態が一体どんなものだろう?
と、より読者の興味をそそるとも言えます。

 

◆夏の雪子ちゃんは何しているの?

 

後半は夏の話になります。雪だるまにとって暑さは大敵。

雪子ちゃんは一体どうなってしまうのだろうとハラハラ気分に
させられたのですが、「冬眠」じゃなく「休眠」するのです。
ただひたすら、冬が来るまで眠り続ける雪子ちゃんも
めちゃくちゃ可愛い~。そっと近くにいって触れてみたいわぁ。

とにかく、あまりに雪子ちゃんが愛らしく何度も「可愛い」を
連発した書評を書きそうになる。
それを抑えて書くのに苦労しました(笑)

ひとつひとつ思い出すシーンを書こうと思うのですけど、
最終的に出て来る言葉は「雪子ちゃん、可愛いなぁ…」となる。

でも、本当は可愛いだけじゃない。
雪子ちゃんは、何でも出来るわけじゃないけど、
一人でしっかり大地を踏みしめ生きているという一面も
しっかり読者に伝えて来ます。

と、ごちゃごちゃ言っていますが…
是非一度、雪子ちゃんに会ってみて!
きっと誰もが彼女のとりこになるはずです。

読み終わると…
休眠から目覚めた雪子ちゃんが、しんしんと降り注ぐ雪の中、
遥か遠くからやって来そうな気配すら感じます。
そして、深く深く雪の匂いを思い切り吸い込んでみたくなります。

「深遠な気持ちになるわね」という言葉が
会話の中に出て来るのですが、この言葉自体が、
この童話の世界という気がします。

また、周りの温かい人々にいつも見守られ、自然の中で
のびのび過ごす雪子ちゃんの生活は、忙しい現代人にとって、
羨ましい世界にも映ることでしょう。

本書のページには、ずーっと雪が降り続いているという
凝ったデザイン。あちこちに散らばる雪の結晶がまた癒されます。

 

※私の大好きな1冊。

 冬になると雪子ちゃんのことを思い出します。

 

 

uzumaki-guruguru.hatenablog.com

 

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