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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

満月をまって :メアリー・リンレイ

 満月をまって :メアリー・リンレイ著のレビューです。

満月をまって

満月をまって

 

 

◆お月さまを道しるべにして

 

いまから100年以上前のお話。

コロンビア群の山間にかごを作って暮らしている人々が
いたそうです。芸術的で丈夫なかごが出来上がると、
彼らは周囲の町へ売りに行きます。

このお話でもお父さんは、まんまるい満月に、
ハドソンへ行きます。
満月にこだわるのは、歩いて行くので、帰りが遅くなっても、
暗い夜道をお月さまが道をてらしてくれるからです。

「もっと大きくなったらな」

まだ一緒に行くことが許されない少年。
町がどんなところなのか期待しながら「次の満月こそは」と
季節を重ねてゆきます。

それまではかごを作る技術を尊敬するお父さんのそばで
しっかり見て覚えていく少年。

 

◆いよいよ町へ行く日がやって来たが・・・

 

やがて少年はお父さんと一緒に町へ行く日が訪れます。
ずっと楽しみにしていた町へ行けたのに、町の人々は
自分たちの生活を馬鹿にし、酷い言葉を浴びせられて
しまったのです。

大きな失望を抱え家に戻った少年。
自分の住んでいるところも、かごも嫌いに
なりかけてしまうのだが…。

そんな少年の傷ついた心に、真実に気付かせてくれる言葉が
投げかけられる。

──────────

実際、かごを使う人も減り、作る人もどんどん減っていった
そうです。最後まで作り続けていた一人の女性も1996年に
亡くなったとのことで…。

現在ではアメリカの博物館や個人の納屋でしか見られない
丸くて茶色いかご。

仕事への情熱、生きていく力強さなど、こうしてひと編みひと編み、
父から息子へ幾年もこんな風に受け継がれて来たのだといことを
1冊の静かな絵本から教えてもらいました。

─下にくぐらせて、上にだして、くぐらして、

        だして。くぐらして、だして。─