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謎の毒親: 姫野カオルコ

 謎の毒親: 姫野カオルコ著のレビューです。

謎の毒親

謎の毒親

 

 

◆うーん、うーんと唸りながら真相を探るも・・・

 

わーい、これはわけがわからん話だぞーと、
大声をあげたくなる。

謎です。謎です。
毒親だ、毒親だ。

タイトルそのまんま過ぎるのだ!

 

ある程度世間というものが見えて来たころ、
「え?みんなんちは違うの?(オロオロ)」という経験、
みなさんも一度くらいはあると思います。

 

いわゆる家族ルールとでも言うのでしょうか。
昨日までなんの疑いもなくやっていたことなのに・・・・。

「そんなことしないよー。○○ちゃんちだけだよww」という、
いとも簡単に友人に覆されるアレだ。

 

「家だけだったんだ・・・」という唖然とした気持ちと、
親への軽い怒りや怨みが生まれる瞬間。

 

この小説はこれがうんっと重症化したような話なのです。
主人公の娘は大人になり、こんな風に言っています。

 

私が家で遭遇した出来事を打ち明けても伝わらなかった
理由は、今はよくわかります。出来事に悲劇がないからです。
「怖いはなし」にはヒロインを震えあがらせる継母のビジュアルや、いやがらせがある。ヒロインにふりかかる悲劇があってはじめて、聞く人、見る人の関心を惹きつけるのです。私が遭遇した出来事にはそれがありません。

 

そうは言うけど、彼女の経験したことは
結構私には悲劇だと思えたのです。

例えば母親が冗談でもなんでもなく、こんなことを言うのだ。

 

「あんたの鼻、膿がたまってる…」と言って、
よくないものを見る人がするように口元に手を当て、
眉根を寄せて、私の鼻をじろじろ見ます。

母親は妊娠中に鼻の奥にすでに毒キノコが
生えていたのかもしれない。
遅く出産したからきっと毒が遺伝したんだと言う。
実際、母親は結婚前も後も鼻を患ったことはない。

 

なんの意図があってこんなことを子供に言うのか理解不能です。
こんな話は序の口で、母親だけでなく父親までもが同じように
不可解な人物なものだから救いがない。

 

見覚えのないことで叱られたりもするのですが、
両親と出かけたレストランの話なんて本当になにがなんだか?
異次元の出来事のようにすら思える。

 

他にも夜に目が覚めたらお母さんが胸を揉んでいたとか、
読んでいて非常に気持ちが悪いのです。

 

 

◆姫野さんの体験に基づいた話と知りさらに驚き!

 

 

本書はそんな人に言えなかったという今までの両親の悩みを、
文容堂に投稿し、清人さんをはじめその友人等に
答えてもらうという形式で話が進みます。

 

本当だったら怨み口調になりそうな話であるにもかかわらず、
あくまでも丁寧な語り口調で回想してゆく。

 

文容堂はいつも彼女に寄り添い優しく回答をしています。
あらゆる悩みにどう答えてゆくのか読んでいるうちに
楽しみになりました。

 

全体的に愛情というものが少しでもこの両親から
感じ取れればよかったのですが、それがどこにも
見つからなかったのが何よりも残念。

 

しかし、投稿によって聞く耳を持つ人が現われ、
今まで両親から受けた仕打ちを、彼女が自分の言葉で
話すことが出来て本当に良かったと思う。

 

さて、私はてっきり架空の話だと思っていたのですが、
なんと、姫野さんの少女時代の体験に基づいたものだと
言うじゃありませんか。はぁ・・・びっくりです。

 

群ようこさんの家の話も相当変わっていたけれど、
それとは異なった類の姫野さん一家。

 

作家さんご自身の話に驚かされるということが
たまに豪速球でやって来る時がある。