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本が多すぎる:酒井順子

本が多すぎる:酒井順子著のレビューです。

 

本が多すぎる

本が多すぎる

 

 ◆「約束された幸福な未来」が、たくさん見つかる!

 

タイトルの通り、世の中本が多すぎる。
こんなにたくさんあるのに、自分の元へやってくる本は
ほんの一握り。だからこそ、出合った本とは濃密な時間を
過ごしたいと思ってしまう。

 

本屋で劇的に出合う本はちょっと「恋愛結婚」に近い。
本を紹介してもらえる本は「お見合い結婚」に近い。

 

どんなに読みたくても一生のうちで読める本の数は
限られているんだから、効率よく良書を・・・となると
頼みの綱のひとつとしてこういった
書評本を書いてくれる有能な仲人さんが必要となって来る。

 

今回、酒井さんのこの本を読んでいて、なんてこの仲人さん、
サクサクいろんな本を紹介してくれるのだろう~と、
大量に紹介される本のタイトルに飲み込まれながら、
嬉しい悲鳴が上がってしまうのだった。

 

とにかくジャンルが広い。
酒井さんの鋭い洞察力はこういった本から
吸収されて来ているのだと言うことも感じられる。

 

書評集というと、わりかし一作品を丁寧に評する内容のものが
多いけど、本書は読書日記形式で、まず酒井さんのちょっとした
お話から入り、ある一日にだいたい3冊くらいの本が
紹介されていく。

 

その3冊も、前の本と繋がりをゆるく持たせ、
関連本というわけではないけど、これを読んだら
こっちも気になった的な繋がりがすごく面白いのだ。
この「つながり」の小気味よいテンポ、わくわくさが癖になり、
たまりません。

 

簡潔。これだけたくさん紹介されていると、
簡潔が逆にありがたい。
気づけばネットで予約ボタン。これを数回続けているうちに
「いい加減にしろ、自分」と、ふと我に帰り、とりあえず
最後まで読み切って、なお心に残っているものだけ選ぶ
という手段に出ました。

 

自分が昔書いた書評と同じ本の書評を酒井さんも書いていた。
シンプルなのにきっちり伝わってくる文章に思わず
後ずさりしたくなる。


簡潔かつ読者に響くかつオリジナリティが・・・
いやいやムリですが、出来ない子なりに何かを教えてもらった
気がします。

 

◆必ず見つかる、読みたい本が!しかも芋づる式に。

 

ジャンルが広いので、必ず自分の読みたい本に
ぶつかると思います。
酒井さんの好きな、鉄道、歌舞伎あたりの本の紹介も
多めにあります。


また、どんなジャンルの本であれ、人間考察をする鋭い目が
キラリと光っている感じで、なるほどこういう視点で
捉えてゆくのか・・・と、少しだけ酒井さんの頭の中を覗けた
気がしました。

 

読みたい本が芋づる式に現れる時。
読みたい本が枕頭にそして机上にある時の嬉しさよ。

 

これは「約束された幸福な未来」が存在している証だと
酒井さんは言う。

 

そうなんだ、そうなんだよ。積まれてゆく本の山を眺めながらも
目を細めて安堵している自分がいることも重々承知しております。
そんなことを何度も感じさせてくれる書評集でした。
(悲鳴とともに)

 

 

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