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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

書店主フィクリ―のものがたり:ガブリエル・ゼヴィン

 書店主フィクリ―のものがたり:ガブリエル・ゼヴィン著のレビューです。

書店主フィクリーのものがたり

書店主フィクリーのものがたり

 

 

◆小さな島にある書店を舞台に・・・

 

全米図書館員の支持率「第1位」という
前評判を知り、ハンカチを握りしめて、
泣く準備などしておいた方がいいのか?
なんて読み始めた「書店主フィクリ―のものがたり」。

 

内容を簡潔に書くと、舞台は妻の実家のあるアリス島。
その妻を事故で亡くした変わり者の書店経営の中年男が、
生きる希望を失い荒んだ日々を送っていた。
おまけに大事にしていたエドガー・A・ポーの
お宝本「タマレ-ン」が盗まれてしまう。

 

ショックを受けている最中、何者かがお店に
女の子を置き去りにした。
どうするかいろいろ方法はあったにも関わらず、
子供が自分に懐き、誰かの元へ行くことを不憫に思い、
自分で育てようと決意する。
そこからまた彼の生活が動き始める。

 

こんな風なはじまる物語。
小さい島のたった一軒しかない書店ということで、
ここに来るお客さんたちとの交流や、
出版社の営業女性との恋愛、
亡くなった妻の家族との付き合い等々、
人間模様もなかなか飽きさせない展開だ。

 

それもこれも人びととの繋がりがやはり
「本」であるからだろうか。

洋書はあまり詳しくないので、作中に登場する
本について、あれこれ深い部分まで理解することは
できなかったとは思うが、本に対する個々の想いは
強く伝わって来るものがあった。

 

もし登場する本のタイトルが日本の小説だったら、
きっと自分もあれこれ突っこみを交えつつ、
思いに耽ることができただろうし、読みたい本も
きっと増えたのだろうなぁ~とちょっと口惜しい。

 

◆振り返ると平坦な話ではなかったと感じる

 

この物語の最大の謎は置き去られた女の子についてと、
盗まれた「タマレーン」の行方。
この二つは関係があるのかな、ないのか?
という部分はちょっとしたミステリー。

それと、フィクリ―の恋愛の行方といった

ロマンス部分も気になる。

(私的には島の警察署長ランビアーズの
恋愛や動向も興味津々でしたが)

 

物語自体、わりと穏やかに流れている印象があったけれども、
こうしてレビューを書いていると、決して平坦な話では
なかったのだなぁと感じる。

 

どこに面白みを感じるかは、人によって様々だと思うが、

「ちょっとビターな過去を抱えながら生きている孤独な者たちが
結びついてゆく」という部分がわたしには色濃く心に残っている。

そして、彼らの人生の中には常に本がある。
そんな一冊だったように思えます。

 

読者のその時に置かれている環境や心の状態によっては、
ものすごく深く浸透して来るものがあるのではないかな~
とも感じました。

 

全体的にはアメリカのドラマとかにありそうな雰囲気ですね。
女性が男性をベッドに誘う大人のシーンとか、
やっぱりアメ~リカン的で(笑)

 

だからのか?すごく感情移入したかと聞かれれば
そうでもなく、準備したハンカチ(ハンドタオル)は
未使用のまま。うん、でも、読み心地も悪くないし、
読後も良かったのではないかな。