うずまきぐ~るぐる

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緑と赤:深沢潮

 緑と赤:深沢潮著のレビューです。

緑と赤

緑と赤

 

 

◆パスポート、それは在日であることを知るきっかけに

 

 

今まであまり知り得なかった在日の人々の生活や気持ちを
綴った「ハンサラン愛する人々」は、昨年読んだ本の中でも
かなり印象的な1冊であった。


この本をきっかけに深沢さんの作品を漏れなく

読んで行こうと決めたばかりのところ早速うれしい

新作です。

 

内容情報も見ずに読むことにしたので「緑と赤」って

タイトルからどんな話なのかまったく想像も

できなかったのですが、今回もなんとなんと

在日韓国人の話です。

 

「サンハラン~」とはまた違った切り口で、

うんうん、やはり面白いし色々立ち止まって

考えさせられることが多く、読み始めたら
止まらなかったです。

 

色々な立場からものを見ること、考えることが

大切であるということがこの小説を読むと

肌で感じられるのです。

 

その立場じゃなきゃ判らないことは果てしなく多く、
うまく伝えたくてもどうしても伝わらないこと、
そして「どうして?」という理不尽なことが
世の中になんて多いのだろうと実感させられるのです。

 

大学三年生の金田知英は、海外旅行をきっかけに、
自分が在日韓国人であることを知ることになる。

知らなければそのまま日本人としてなにも

考えずに生きられた。
しかし、パスポートの色の違いは否応なしに

自分の国籍を意識させられるものになってしまった。

 

ある日突然、自分が何者なのであろうかと戸惑う・・・。

知英の話に留まらない。

K-POP好きな友人、梓。
新大久保のカフェで働く韓国人留学生のジュンミン。
ヘイトスピーチを知ったことにより、怒りを覚え、
抗議活動に目覚める中年女性の良美。
日本に帰化し、韓国へ留学した龍平。

これらの人々を通して、日本と韓国を見つめる。

 

 

◆立場によって全く違って見える風景

 

 

韓国、日本を考えるときに、どの立場から見るかによって
全く違う風景に映る。視点が変わると、各々が抱えている
苦悩や葛藤が見えてくる。

 

そしてそれはいまだ解決できぬ両国の歴史から
始まっているというところに辿り着き、
やるせなさがどこまでも続く。

 

難しいテーマですが、こうして読んで行くことによって
少しでも相手の状況を理解することがとても

大事なことだと気づきます。

 

この話は小説であれ、そんな手助けをしてくれている

内容だと思います。

 

どうして伝わらないのだろう。こんなに近くにいるのに。

 

国と国、じゃなく、人と人。
果てしなく大きな課題ではあるけれども、
固くなった紐を解くのは、やっぱり人と人の関係性から

なんだろうな・・・と。


どんなに道のりは長くても一歩一歩なんだと。

いつかパスポートの色が違うことなんて意識しないで
行き来できる時代が来ることを祈るばかりである。

 

 

uzumaki-guruguru.hatenablog.com

 

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