現代語訳 樋口一葉「十三夜 他」: 樋口一葉著のレビューです。
当時の「離縁」の難しさがひしひしと・・・
う~~ん、これは、辛い辛い話でありました。
「玉の輿」とも言える原田家に望まれて嫁いだお関。
後継ぎも生まれ、一見順調に見えた結婚生活も、「釣った魚にえさをやらない」を絵に描いたような旦那に耐えきれず、ついに実家に帰るお関だが…。
離婚することを両親に告げようと訪れた実家。しかし、なかなかこのことが言い出せずにいるお関を見ていると、こちらも胸苦しくなってくる。
そして、ついに話しを切りだしたお関。
母親はお関の話に大いに同情しますが、父親は同情はするけど、弟の出世、義理の息子のことを考え、結婚生活を続けるよう諭します。
また一度離縁したら子供にも会えなくなると父は言います。
「同じように不運に泣くのなら原田の妻のまま泣け」と。
お関は父の言葉を受け、辛抱する道を決め、人力車に乗ります。
その人力車の車夫は幼馴染の録之助。
かつての想いにお互い浸るのだが…。
なかなかじれったい時代ですよね。
自分の結婚なのに、親や弟のために耐えなければならないという理不尽さ。
こんな話は恐らくこの時代、どこにでもあった話なのでしょうけど、我慢の先に何か光が見えて来るのでしょうか?
辛抱妻と、離縁した妻のその後…みたいな本があると良いなぁ。
一葉はこういう話を作るベースになるものはどこから得たのでしょうね。
独身で生涯を終えたわけですから、厭な感じの旦那さんが居たということもないのに、厭な旦那さんを書くのがピカイチ。それだけ、厄介な旦那さんを方々で見かけたということでしょうか。
なんとなく今回は靄がかかった感じで終わってしまった。
お関さん、がんばって!