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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】現代語訳 樋口一葉「十三夜 他」: 樋口一葉

 

 

 現代語訳 樋口一葉「十三夜 他」: 樋口一葉著のレビューです。

 

当時の「離縁」の難しさがひしひしと・・・

 

う~~ん、これは、辛い辛い話でありました。

「玉の輿」とも言える原田家に望まれて嫁いだお関。
後継ぎも生まれ、一見順調に見えた結婚生活も、「釣った魚にえさをやらない」を絵に描いたような旦那に耐えきれず、ついに実家に帰るお関だが…。

 

離婚することを両親に告げようと訪れた実家。しかし、なかなかこのことが言い出せずにいるお関を見ていると、こちらも胸苦しくなってくる。

 

そして、ついに話しを切りだしたお関。
母親はお関の話に大いに同情しますが、父親は同情はするけど、弟の出世、義理の息子のことを考え、結婚生活を続けるよう諭します。

 

また一度離縁したら子供にも会えなくなると父は言います。
「同じように不運に泣くのなら原田の妻のまま泣け」と。


お関は父の言葉を受け、辛抱する道を決め、人力車に乗ります。
その人力車の車夫は幼馴染の録之助。
かつての想いにお互い浸るのだが…。

 

 

 

 

なかなかじれったい時代ですよね。
自分の結婚なのに、親や弟のために耐えなければならないという理不尽さ。

 

こんな話は恐らくこの時代、どこにでもあった話なのでしょうけど、我慢の先に何か光が見えて来るのでしょうか?

 

辛抱妻と、離縁した妻のその後…みたいな本があると良いなぁ。

一葉はこういう話を作るベースになるものはどこから得たのでしょうね。
独身で生涯を終えたわけですから、厭な感じの旦那さんが居たということもないのに、厭な旦那さんを書くのがピカイチ。それだけ、厄介な旦那さんを方々で見かけたということでしょうか。

 

なんとなく今回は靄がかかった感じで終わってしまった。
お関さん、がんばって!