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お勝手太平記:金井美恵子

 お勝手太平記金井美恵子著のレビューです。

お勝手太平記

お勝手太平記

 

 

大量の手紙の渦に呑みこまれ・・・

 

 

金井美恵子さんはずっと気になっていた作家さん。
・・なのですが、この本から入るのは失敗だった気がする。

 

というのも、小説は小説なのですが、「書簡小説」という
形式なので、筋という筋があるわけではない。
どんな小説を書く方なのかちょっと掴みづらかったかな。

 

それでも「毒気たっぷり」ということに惹かれ、
なんとかなるだろうと読み始めるも、どうも・・・どうも・・・
なかなかの苦行で(笑)

 

よく言うじゃないですか、女性のお喋りには目的はなく、
ダラダラズルズルいつまでも話しているって。
女同士、食事しながら、お茶しながら、取りとめのない

話をするの私も結構好きですが、いやぁーこれが、知らぬ人の
話となると退屈と言うか苦痛と言うか。

 

本書はそんな他人のゴールのない世間話を
ずっと聞かされているような雰囲気なんです。

 

60代の女性が学生時代に仲良かった友達や先輩に
大量の手紙を書き続ける。書くって言ったって、
何日も掛けて書くものも多く、よくぞこんなにも・・・と
思うのですが、まるで会話しているかのように湧き出す
話題の数々は脅威である。果てしなく広がる話は
まるで蜘蛛の巣のように便箋の中を張り巡らせる。

 

 

◆読書、映画、日常の愚痴がどこまでも続く

 

 

この女性、趣味は手紙以外に本もよく読んでいるようで、
本のこともあれこれ書かれている。谷崎の作品もたびたび
出てくるので個人的にはそこに惹かれてズルズルと・・・。

 

映画作品もたくさん登場する。
巻末8ページに渡り登場した作品が紹介されているくらい多い。
映画の好きな方はこの部分も楽しく読めるのではないだろうか。
(年代的に知らない映画ばかりで、私的にはイマイチ乗り切れず)

 

介護や病気の話も多く、病院で貸し出されている男女の
パジャマの色にいたるまで、あれこれ愚痴や考察が絶えない。

 

着物のリメイクで作る和風ドレスは貧乏くさいだの、
ル・クルーゼのお鍋で作ったものがいいなんて絶対に嘘。
なんてばっさり言い切ってくるから凄いです。

 

と、まぁこんな愚痴や悪口が点々と散らばっていて、
時にクスリと笑ってしまうのですが、
なんだかとーっても疲れてしまったのですわ。
仕事で疲れて帰って来て読む本ではないですね(笑)

 

同性の私でも息切れした本なわけですが、
男性読者、この本どこまで耐えられるだろうか?

 

毒舌は好きだけど、ちょっと自分の好みからは
外れているかな。とにもかくにも、金井さんの通常の小説を
一冊読まなければと思った。

 

この作家さんの描く世界が好みかどうかはそれからだ。

はぁ・・・まだ耳がワンワンしている~~。

気力がある方、是非是非、本書に挑んでみてください!