ダーリンは70歳:西原理恵子著のレビューです。
「センセイの鞄」からの~「ダーリンは70歳」!!!
年を重ねた大人の恋愛。しかも、年の差がある男女。ちょうど川上さんの本を読み終えた頃、ツイッターでは西原さんと高須さんがこの本のツイートを盛大に行っていて、気になってしようがない。
ああ、実写版「センセイの鞄」かもねぇ・・・高須さんもセンセイだし(笑)なんてことをチラッと思いながら本屋に走ったのである。(※高須克弥さんはyes!高須クリニックの医院長)
いやぁ~大半は笑った!笑わせてもらいました。でもその嵐のように笑いを巻き起こしておいて、しんみりとした気持ちにストンと落とされ泣かされる。今泣いたカラスがもう笑ったって感じで、喜怒哀楽をフル活動!そんなことの繰り返しで、コミックなのに、結構ハードな読書でした。
わたし、高須センセイが西原さんにぞっこんで西原さんの好きなことを自由にさせてあげるパパ的な存在なのかな・・・って思っていたのだけれども、本書を読んで、西原さんも相当高須センセイにぞっこんなんだなーと気づかされました。健気で乙女で(笑)
あと、高須センセイが大人の男性で西原さんをグイグイリードされているのかと思っていましたが決してそうでもなく、子供になったり大人になったり。その時々で、二人の役割がくるくる変わる。まさに「相思相愛と」言う言葉ぴったりなお二人なのです。
忙しいお二人は、なんとか時間を作って一緒の時間を過ごす。夜11時から朝7時まで薬で眠る高須さん。仕事が終わって高須さんに会いに来るころには、もうセンセイは眠っている。起きない。
一緒に寝れば7時間は一緒にいたことになる。
それから一緒に朝ごはんを食べれば立派なデートだ。
こんな風に考える西原さん、健気で可愛い。深夜に会いに行くなんて、もうしんどい年齢だよねぇ。それでも会いにゆくんだもの。愛の力だよ。
ご存じ、高須さんはお金持ち。だから、デートと言っても、スケールが大きすぎるものもあるけれど、なんでだろう、鼻につかない(笑) 「センセイの鞄」と大きな違いがあるとすれば、「高須センセイの鞄」には、札束がバッザバッサと入っていることかも?(※イメージです)
私達は70歳と50歳で
時間がないから手をつなぐ
時間は待ってはくれない。
二人で過ごす時間が普通のカップルより圧倒的に短い(かも)という現実が、より一層、相手を大切に想い、優しい気持ちになれるんだろうな~。
「毎年二人で一緒に桜を見る約束」がいつまでも続きますようにと願わずにはいられない。だってだって、こんなお下品で笑えて泣けるのろけ話なら、ずっとハンカチ握りしめて聞いていたいもの(笑)
というわけで、「センセイの鞄」と本書を読んで感じたことは、いろんな経験を経てからやってくる恋愛は、人をより一層純粋な気持ちに返らせるものだなぁと。
ふたつの微笑ましい話には、ほのかに漂う初々しさがそこにあった。