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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

赤い蝋燭と人魚:小川未明

本の紹介(絵本)

赤い蝋燭と人魚:小川未明著のレビューです。

赤い蝋燭と人魚

赤い蝋燭と人魚

 

 

◆なんとも言えない寂寥感が・・・。

 

 

短い話でもガッと心を掴まれることがたまにある。
これもそんな話のひとつで、読後も掴まれたまま
引きずってしまうような重さがあった。

 

海辺の街の神社に産み落とされた捨て子の人魚。
神社の近くで蝋燭を売って暮らしている老夫婦が

この人魚を見つけ、「神様の授かりもの」とし大切にし、

やがて美しく利口な娘へと成長します。

 

おじいさんもおばあさんも優しいし、娘はお店のお手伝いをと、
懸命に白い蝋燭に赤い絵を書きます。

 

これが評判となりお店も繁盛し、しかも神社にこの蝋燭を
灯すことによって、水難も避けられるということで
さらにお店は大繁盛。

 

ここまでは・・・平和な童話ならではのおはなし。
やさしいおじいさん、おばあさん。
そして親孝行の娘。平和な暮らし。
シナリオ通り、美しい話に繋がって行くのかと・・・。

 

しかし、ある香具師の言葉により話はみるみる急降下し、
ガラガラと音立てて崩れ落ちる。

 

「え!そ、そんな・・・・」

 

まぁ、山場的なゴタゴタが起きても、きっと収まるところに収まる
のではないか・・・という甘い考えも虚しく、悲しい結末を迎えた。

 

「人間は人情味があってやさしい生き物だ」と信じて、
人間の居るところに子供を産み落とした人魚のお母さん。

 

しかし、「人間が一番残酷な生き物だ」ということを私たちに
訴えるかのように話が反転した。

 

気持ちが冷え切るような読後感。
なにもかもが消えてしまったような寂寥感。

 

大人の方が、より人間のリアルな嫌らしさ、

怖さを実感するのではないか?と思える童話でした。