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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

トラブル クッキング:群 ようこ

本の紹介(エッセイ)

トラブル クッキング:群 ようこ著のレビューです。

トラブル・クッキング (集英社文庫)

トラブル・クッキング (集英社文庫)

 

 

◆飼い猫も怯える群さんの料理とは…

 

 

えらいこちゃ、えらいこちゃ、よいよいよいよい♪
まるまる一冊、この音楽が流れています。

 

いろんな物書きがこぞって料理や食べ物の本を出していますが、
こんなにも「まずそう」と失笑しちゃう本を出した作家は

いないのではないの?ってくらい、結構大変な騒ぎになっています。群さん。

 

本書は群さんがその昔、そろそろまともに料理が作れるようにと思い立ち、
その料理の「特訓」の日々を綴ったものです。

当然、現在は群さんも料理の腕は上がり、楽しい思い出のワンシーンに
なっていることだと思いますが、こういう記録を残しておくのって結構
良いもんですね。

 

美味しい料理の話も楽しいけど、こういった失敗談はそれを

上回る面白さがやはりありますねぇ。しかも、物書きというだけあって、

その心理描写が抜群。

 

おはぎが「岩」のような歯ごたえだったり、
脱酸素剤エージレスの小袋が浮き上がるラーメンが出来たり。

 

また、本当の味を知らない「ラタトゥイユ、」は珍しく上手く作れて有頂天。
フランス語の意味を調べたら、「まずい煮込み料理」(軍隊の)まずい食事」
とあり、モヤモヤした謎が浮上!一喜一憂の世界が繰り広げられている。

 

とにかく料理風景も殺気立った雰囲気が充満しているのですが、

出来たものも凄い。特に初期にご実家で作ったドイツ料理。

 

どのくらい凄いかと言うと…

飼い猫のトラはひと口食べたあと、つつつっと後ずさりし、

怯えた目で群さんを見上げ「ふにゃーん」とひと声鳴いて

当惑した顔をしたと言う。

 

それからトラはお腹がすいていても群さんの作った料理は

食べなくなったどころか、皿の上をまたいで歩いていたそうだ。

 

お母さん、弟さんも「トラちゃんにだってちゃんと味覚があるし、

まずいものは食べられないよね」と猫の味方をしちゃうほど。

 やぁ~切ないです。飼い猫にまで見放されるなんて、ねぇ。

 

「どうしたんだ、これは!」
「なぜだ!」
「う~む」
「こ、こりゃいかん」

 

こんな言葉が随所に登場。そのたびに何が起こったのか!?
群さんと一緒に鍋の蓋を恐る恐る開ける怖さといったら…!
まさにトラブルの連続なのです。

 

でも、群さんの失敗は私も経験あるし、だからこそ笑えるというか
共感できちゃうわけです。

 

バタバタがずっと継続したまま読了。
やぁー、えらいこっちゃの連続でしたが楽しかったなぁ~。