乙女の読書道:池澤春菜著のレビューです。
こんなに読書傾向が違う方の書評本を読むのは初めて!新鮮な驚きがあった
いやぁー、なんと、なんと、春菜さんと読書本がまったくかぶることなく、
そのこと自体に結構衝撃を受けました(笑)
というのも、「乙女の~」と付くタイトルだったので、
多少はその路線なのかと期待したのですが、紹介されている本は
ほぼSF、ほぼ翻訳本。
ということで、個人的にはどちらかと言えば苦手なジャンルで、
春菜さんの書評を読んで、さほど刺激も受けることなく、
リストも伸びることなく読了です。(ある意味、ホッとした)
ご本人もおっしゃっているけど、傾向がかなり偏っているので、
万人には受けないけど、見方を変えれば、春菜さんと読書傾向が
似ている方はめちゃくちゃ楽しい1冊だと思う。
自分とは傾向が全く違ったものの、最後まで読み切れたのには
ひとつ明確な理由がある。
どんな本かを知るひとつの手掛かりとして「書評」を日頃から
読んでいるわけだけど、私が好きな書評は、書評の書き手が
その本とどう向き合い、どんな読書時間を過ごしたのか、
自然に浮かんでくるようなものにグッとくる。
文章に勢いがあり、書き手が感想を話したくて
仕方がないといったもの。
春菜さんの書評からは、そういった雰囲気がたくさん伝わってくる。
どれだけわくわくして、どれだけ興奮したか・・・その時々の状況が
弾むように伝わってくるのだ。
そういう書評は例え自分に向かない本であってもすごく
気持ちを揺さぶられます。
また、読む本の違いはあっても、手元に本がないときの不安など、
本といつも一緒にいる生活をしている者なら共感できる部分も
たくさんありました。
面白かったのは、お父様との対談。
ここでは書評を書くことについて、お二人の話が大変興味深かったです。
─────「あなたの書評を読んでそそられた」
これ、みなさんも経験あると思うのですが、春菜さんも
おっしゃっている通り一番の評価ですよね。
読者にとって未知の本を読みたいと思わせ、
それがまたその人のお気に入りになる。書評の醍醐味ですねぇ。
本が好き!のみなさんにとっても、身近な話だと思います。
そんなこんなで読む本は違っても、読書好きの行動やエピソードなど、
思わずニヤリと共犯者的な一体感が持てました。
最後にSF好き、翻訳本好きの方なら相当楽しめる!と、
繰り返しお伝えしておきます(笑)