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【感想・レビュー・あらすじ】明暗:夏目漱石

 

 

明暗:夏目漱石著のレビューです。

明暗 (ワイド版岩波文庫)

明暗 (ワイド版岩波文庫)

  • 作者:夏目 漱石
  • 発売日: 2012/07/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

感想・あらすじ「よっこらしょ」と自分に気合いを入れて読むも、寝てしまうという最悪なローテーションを繰り返し読了!

 

とにかく読むのに時間がかかりました。
文体が難しいとか、話が複雑というわけじゃないのだけれど、読んでいると眠くなる。で、次読むときは「よっこらしょ」と自分に気合いを入れないと本が開けない。・・・といった具合で、大変効率の悪い読書でした。

 

作品の進行もべた付いていてなかなか前進しないし、登場人物たちの会話もなんだかもったいぶった言い回しで、リアルでも一番苦手なパターン。会話がくどくて聞いていて意識が自動的に遠のくみたいな(笑)

 

各々のドロドロした人間心理を描いた小説はむしろ好きなんだけれども、どうもこの作品とはテンポが合わず、どこまで行ってもレールに乗っかれない自分がいた。

 

 

 

 

話は結婚して間もない夫婦のもとへ親族やら知人がやって来て、あれやこれやとこの夫婦に余計な不安を植え付け心を掻き乱す。この夫婦、夫・津田は格好つけの見栄っ張り。ちょっと人を見下したところがある。

 

妻・お延は派手で夫の愛情をなによりも欲しがる女性。経済的にも親の仕送りを当てにするという自立心に欠ける部分はあるものの特に大きな難点や人の恨みを買うような夫婦ではない。

 

しかし周りの人々はこの夫婦を放ってはおかない。津田が結婚したら変わっただの、元彼女との関係を掘り返して、結婚せず別れた原因はなんだったのか合いに行って確かめろ・・・など、赤の他人がしょうもないことを言い出す始末。そんなこと知って誰得なんでしょうな?

 

これが思い切り悪妻だったり、夫がだらしなさすぎるという確固たる設定だったら、この夫婦にあれこれ口出ししたり、なんとか懲らしめてやろうとする人が出て来るのも理解できる。

 

でも、どこにでも居そうな若夫婦に嫉妬やちょっと気にくわない程度で、なんでこんなことを周りがするのか、わたしには意味不明であった。

 

とにもかくにもこの長さ、随分もったいぶって引っ張っていったものだ。しかも、完結せず未完!未完だと知っていたからいいようなものも、知らずに読んでいたらきっと怒りを爆発させてたかも(笑)

 

でもいいのです。
実は私の狙いは漱石の「明暗」ではなく、水村美苗さんの「続 明暗 (ちくま文庫)」を読むことにあったのです。水村さんの作品を読むのには漱石を読まないと始まらないわけで・・・。

 

「明暗」は人間の利己(エゴイズム)を追った近代小説。とても好きなジャンルだけど、苦手なものもあったのだなぁと再確認。やっぱり極悪な人々による解り易いエゴイズムじゃないとピンと来ないのかしら?とダラダラ考えてしまった。

 

「明暗」というより、「白黒」はっきりしないとやっぱりすっきりしない。ということで、水村氏の作品でどうにかこのモヤモヤを静めたいと思ふ。

 

最後に漱石さん、ごめんなさい。「もっとちゃんと読め!」と、お叱りを受けそうですが、なにせ本を読みながら半寝していた時間が大半だったような・・・(懺悔)

 

ということで、続・明暗を無事読み終えました!漱石の「明暗」で悶々としたままになっている方はぜひこちらも。水村氏が一応の決着をつけてくれています。スッキリね。

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