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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

スーツケースの半分は:近藤史恵

本の紹介(女性作家か行)

 スーツケースの半分は:近藤史恵著のレビューです。

スーツケースの半分は

スーツケースの半分は

 

 

 

◆ひとつのスーツケースからはじまる女性たちの物語

 

 

ニューヨークへ行きたいという夢。

休みを合わせて行きたいと提案するも気乗りしない夫。

「老後にゆっくり行けばいい」と考える夫。

友達とは行きたい場所が違うし、一人で行くだけの勇気がない。

 

そんな女性がある日、フリーマーケットで理想的な青いスーツケースを

見つけ、衝動買いする。このスーツケースの出合いをきっかけに、

彼女は一人でニューヨークへ向かうことにした。

 

・・・という話からはじまる小説は、その後、彼女の大学時代の

友人の話へ次々バトンタッチされてゆく。

 

最初はよくある学生時代の女子たちの「その後」的な話しなのかな~と

思っていたのですが、これが章を重ねるごとに話に厚みが出てきて

目が離せないものになるのです。

 

それもこれもあの衝動買いした「スーツケース」がなんと

「幸運を呼ぶスーツケース」というもので、これを持って旅に出ると

みんな幸せになるという不思議な現象が。

 

なんらかの事情で友人たちもこのスーツケースを借りて旅に出る

ことになるのだが、ロマンスが生まれたり、現地の友人とのわだかまり

が解消されたりと、その後の彼女たちに新しい活力が与えられるような

話が続く。

 

実はこのスーツケースには深い深い過去あって・・・・。

 

後半はフリーマーケットでこのスーツケースを売った女性と娘の

話に移行します。いろいろないきさつを経て、スーツケースは

この売り手だった女性の元へ戻るのです。

 

さて、このスーツケースにはどんな過去が?

 

スーツケースの半分は・・・お土産を入れるために空けて置くんでしょ?

なんてタイトルを見て考えていたんだけれども、

この小説では残りの半分は「自分に足りなかった何か」を見つけ、

それを詰めて帰って来るってことなのかなーと。

 

ライトな読み心地であったものの、スーツケースと人々を

自然な形で繋いで、新鮮な展開をみせてくれる内容であった。

 

旅に出たくなったというより、なんだか自分のスーツケースまでもが

めちゃくちゃ愛おしくなった。スーツケースはいわば旅の相棒。

一緒にいろんなところを見てまわったという意味で、

本当はすごく深い仲なんだなーと(笑)