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避雷針の夏:櫛木理宇

避雷針の夏:櫛木理宇著のレビューです。

避雷針の夏

避雷針の夏

 

 

◆んっ、もぅ!な人々が続々と登場するのが何よりも嫌!

 

 

─────「よそものは、死ぬまでよそもの」
閉塞的な土地で起こるホラー作品と勝手に自分の中で決め込んで
読み始めたわけですが・・・。

 

日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞された方なので、
てっきりホラーだと思ってしまったのがそもそもの勘違いだったようで、
内容的にはコワイというより、人間関係の気持ち悪さが

なんとも不快、不快・・・。

 

都会から引っ越して来た梅宮家は、夫婦と娘、そして要介護の母親

という家族構成。睦間町という土地は、決してよそ者を受け入れない

町で、住民たちの人間関係も複雑な事情を抱えている者が多い。

 

息子を殺され復讐に走った父親が英雄として扱われていたり、
夫を殺したよそ者としてこの町からつまはじきにされている
小料理屋の女将など、家庭内だけではなく、町全体が複雑で

不穏な空気がたちこめている。

 

決してつまらないわけではないのですが、イマイチ焦点が
ぼやけている感じがする。

 

梅宮家の問題、梅宮の職場、町の人々の事件やガーゴイル像の破壊、
娘たちの動き、SNSの書きこみ等々、話が点在していて要所要所で
自分なりにそれらをまとめていかないと話がとっ散らかる。

 

中心の話はやはり町のことなのでしょうけど、私は梅宮家の
冷え切った家族関係が一番気になっていました。


夫の梅宮がねぇ・・・自分の都合で家族を振り回したくせに、
家庭をないがしろにし、言動も非常に不愉快な男なんですわ。

 

さぁ、このあちこちに広がった得体の知れない厭な町のこと、

歪んだ家族のこと。どう収束させるのか・・・ある意味それが知りたくて

読み進める形になる。

 

エピローグの数ページで登場した人々のその後が簡潔に

まとめられている。
なんとなくきれいにまとまった感はあるけど、せっかくここまで
来たのにパタパタと店じまいされたような雰囲気。
もっと最後まで丁寧に描いて欲しかったなぁと思うのです。

 

ということで、どうなのかな?ホラーではないですよね。
どちらかと言えば、ヒューマンサスペンス的なものかな~と。
まぁ、どっちでもいいか(笑)