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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】小さい僧の物語:瀬戸内寂聴

 

 

小さい僧の物語:瀬戸内寂聴著のレビューです。 

 

小さい僧の物語 (集英社文庫)

小さい僧の物語 (集英社文庫)

 

 

お地蔵さんってお茶目で意外にアクティブ!

 

 


私の生活圏内で、お地蔵さんの存在は見かけないものになってしまったけど、
それでも「お地蔵さん」と言えば、明確な姿形が浮かぶのは
やはり、昔どこかで何度も見かけていた残像なのだろうと思っている。

 

そんななかなか出会えなくなってしまった
20のお地蔵さんのお話をコンパクトに収めた本。

 

「笠地蔵」の話をはじめ、ここに出て来るお話は

どれも素朴だけどお地蔵さんが残すちょっとしたできごとに

気持ちが休まり、ホットカーペットの上でうたた寝しちゃうような

ほっこりした気分になれるものが多い。


笠地蔵は本当にお茶目で、ずっと読んでいたいほど良い話。

 

「山椒大夫」の話は、こうして大人になってから読んでみると
あーそう言えば、お地蔵さんがここにも出て来てたんだなぁ…と、
寂聴さんの分かりやすい文章で再読出来て楽しかったです。

 

京都には地蔵盆という縁日があるそうです。
さすがお地蔵さんが多い町だけあって、人々とお地蔵さんの

結びつきの強さを感じます。


お地蔵さんがない町は、お寺などで借りてきてでも行う

というくらいだそうです。お菓子がもらえたりと、

子供たちにとって楽しいイベントなのでしょう。

 

赤い帽子や、赤いよだれかけをかけたお地蔵さん。
静かに佇んでいますけど、実はとってもアクティブじゃないの!と
そのギャップに私シビレました(笑)

 

そして、あとがきの方がおっしゃってるお地蔵さんと寂聴さんが

似ているという件。
時に優しく、時に厳しく、そして朗らかなお顔も…確かに、確かに…。