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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

阿呆の鳥飼:内田百閒

本の紹介(男性作家あ行)

阿呆の鳥飼:内田百閒著のレビューです。

 

阿呆の鳥飼 (中公文庫)

阿呆の鳥飼 (中公文庫)

 

 

 

◆鳥よりも内田百先生のほうが興味深い!

 

 

内田百閒、初読みです。
小鳥の話ということで、これは一度読んでおこうと。

 

なんてったって「阿呆の鳥飼」。タイトルもいいじゃないですか。
小鳥の愛らしさにやられてしまう飼い主の阿呆っぷりが覗ける!
とワクワクしながら頁をめくったら・・・・


私は小さい時分から小鳥が好きで、
色色な鳥を飼ったり、殺したりしました。


むむむ。
いきなり「殺」という文字が目に飛び込んできて、
想像していたものと違うかも?と、早くも暗雲が立ち込める。

 

さらに読み進めると、こんな言葉が・・・

 

厭き性・世話をするのが面倒・面白くも可愛くも何ともなくなり・
死んでいたり・逃げる・段々鳥がいなくなってしまう・・・

 

たった1ページで鳥に対してこれだけの殺伐とした言葉が並ぶ。
すでに異質なムードが感じられるだけでなく、なんだか猛烈に
内田百閒という人物に興味を持たざるを得ない状況に戸惑う。

 

まぁ最初のうちだけだろうと甘く見ていたが、

それがぜーんぜん違ったのだ。


もう飼っている鳥の数だって尋常ではない。
50羽とか、抑えて35羽とか・・・(汗)

堪え性がなく欲しいと思ったら即手に入れる。
そしてすぐ飽きる・・・みたいな。


鳥の中でも可愛がるものとそうでないものとがハッキリしている。
ある意味とても正直な人なのです。

 

一番印象的だったのが、可愛がっていた鵯が留守中に猫に殺され、
怒り狂った著者は翌朝物干竿の先に出刃庖丁を縄で括り、
縁の下に這い込み、敵討ちを行う。

 

って、もうなんと激しいことか。
とはいえ、内田百氏は猫の本も出しているほど猫好きでもある。

 

本書は主に鳥との生活について描いているが、身近な虫や魚なども登場。
生き物の生と死、飼う者の身勝手さ、残酷さなどが存分に表現されている。

 

また激動の時代であった昭和の様子も話の中に上手く盛り込まれ
大変興味深く読むことが出来ました。

 

それにしても、「ええーー内田百先生、そんな~」と

何度叫びたくなったことか。


鳥の話も面白かったけど、一番興味深いのはセンセイそのもの!
ユーモア溢れる人なのか、それとも素がこうゆう人なのか、

気になってならない。


今までにない人とペットの話でありインパクト強し!