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ヴァン・ゴッホ・カフェ :シンシアライラント

ヴァン・ゴッホ・カフェ :シンシアライラント著のレビューです。

 

ヴァン・ゴッホ・カフェ

ヴァン・ゴッホ・カフェ

 

 

 

◆もし芯から温まる珈琲を飲みたいと思ったら、

      是非このカフェの扉を開いてみてください。

 

 

「ちょっといいカフェを見つけちゃったな」というような
小さな幸せが感じられる話が詰まった「ヴァンゴッホ・カフェ」。

 

このカフェは、
カンザス州のフラワーズの町の、元劇場だった場所の片隅にある。

 

このカフェは、
父親のマークと、おとぎ話が大好きな10歳の娘・クララが

いっしょにやっている。

 

このカフェは、
レジの上に「愛犬、大歓迎」の札があり、
パイののった回転皿の上には、わらっている磁器の

メンドリがとまっている。

 

このカフェは、
「おかえり、ここはきみの家」という歌が流れている。

 

そしてこのカフェは、
夢のような、ミステリーのような、すばらしい油絵のような

カフェといううわさがあります。

 

カフェの壁にしみ込んだ魔法が動き出すと、
素敵な物語がポロポロとこぼれ落ち始めます。

 

魔法というと、なにかあり得ない出来ごとが起こりそうな気がしますが、
この本の中の魔法はとてもさりげなく派手なものではない。

 

お客さんが残していったマフィンが思わぬ幸福を運んでくれるものに
変わったりするという、心から温かい気持ちになるストーリーなのです。

 

「スター」という話はとても印象深い。

 

このカフェに訪れた昔の大スター。

当然マークも彼の映画を知っていて二人は懐かしい話を楽しみます。
このスターはかつてここにあった劇場でいっしょに出演した男を
待っているということをマークに告げますが、その男は現れません。

 

その後の展開がかなり意外なものになるのですが、
なんとも言えないほど良い話でじんわり心に響いてくる。

 

最後にこのカフェは、
どんなに美味しい珈琲も飲まなきゃ分らないのと同じで、
読後感の心地よさは、ここを訪れないと分らないと思う。

 

もし芯から温まる珈琲を飲みたくなったら、
是非このカフェの扉を開いてみてください。