私の好きなものー暮らしのヒント101のレビューです。
みる、きく、きる、たべる、すむ、つかう ━━━ 好きなものがいっぱい!
料理家、スタイリスト、画家、デザイナー、写真家、ショップオーナー、
建築家ほか、69人の人々が「とっておき」のモノとコトを語るコラム集。
「好きなモノやコトについて教えてください」
もしこんなことを訊ねられたらみなさんは何について語りますか?
あれもこれもと幅が広すぎて選びきれないな~なんて私は思ってしまう。
みる、きく、きる、たべる、すむ、つかう
本書ではこれらの分類をもとに、各人が好きなものへの想いを語る。
たったの1ページで書かなきゃならないなんてすごく難しそう。
好きなモノやコトとのや出合いや思い出、それがどんなに
素晴らしいかなど、言いたいことがきっと溢れて止まらないだろうに。
そんな気持ちを語るにはとても小さな空間で、
みなさん苦労されたんじゃないかな。
大きな助けになっているのが写真の存在。
文章だけではいまいち想像できないものでも、
ビジュアルから掴めたってものも結構ありました。
「午前5時の山羊」は、主の目覚めを待っている早朝の山羊の話。
文章だけでも雰囲気は十分伝わってくるけれど、
こちらに添えられた写真は蒼い朝の風景がまるで物語の
挿絵のような世界を醸し出す。
「あめや怪談」では、京都の東山の「みなとや幽霊子育飴」の紹介。
あの水木しげる先生の「ゲゲゲの鬼太郎」と深い縁があったという内容で、
京都の民話と鬼太郎が繋がっているという話に大興奮。
「幽霊子育飴」が見られただけでなく、
鬼太郎までが付いてきて楽しかった!
様々な想いのあるものに触れた時間。
好きなもの、ことを語る人々のささやかな笑顔すらも
見えてきそうな優しい空間にみるみる包まれてゆく。
オランダのテルスヘリング島、
コマウサギのいる「調神社」、
ベルギーにある古本の村・ルデュ村、
屋根が青で統一された青森県西津軽の「青い集落」
どれもこれもこの本で知った素敵な場所である。
自分的には「みる」「「たべる」に好奇心をそそられる場面が多かった。
もし私がこのテーマで語るなら、やはりこのあたりのテーマなんだろうな~
案外この本は、
自分の好きなものや価値観の比重がどこにあるのか、
ちょっとした発見ができる仕組みになっているのかもしれない。