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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

泥棒たち :アントンP.チェーホフ

泥棒たち :アントンP.チェーホフ著のレビューです。

泥棒たち (チェーホフ・コレクション)

泥棒たち (チェーホフ・コレクション)

 

 

 

◆堅気な男が、たった一晩で転落してゆく・・・そのきっかけは?

 

 

これもなかなかシビアな話だったなぁ。
読後のドロンとした暗い気持ちは、
なんとも言えないものがある。

 

准医師の資格を持つエルグノフは病院の買い物をするために
馬に乗って出かけたのだが、帰りに吹雪に遭い道に迷ってしまう。

 

辿りついた先は、悪名高い宿屋。
仕方なく彼はドアをたたく。

 

その宿は盗賊の巣窟というだけあって、
さっそく詐欺師兼馬泥棒という男や、
お色気たっぷりのリュープカが登場する。

 

自分の馬が盗まれやしないかと心配しつつ、
エルグノフはこの男たちと食事をともにし、
様々な鳥肌のたつような話を聞きながら一晩を過ごすのだが・・・。

 

やがて彼の心境に変化が訪れる。
自由に伸び伸びと生きているように見える彼ら。
アルグノフはそんな彼らを羨み、憧れを抱く。
それにひきかえ自分は?・・・という疑問を自分に浴びせかける。

 

その後彼が歩んだ道は・・・・。

 

一時の出会いから彼のような堅気の人間が、
一気に転落してしまうというなんとも言えない話なのですが、
「自由」とは「当たり前」とは…等々、生きていると
必ずぶつかる疑問を最終的には問うてくる内容であった。

 

「箱に入った男」の皮肉な結末に苦笑してしまったのは
つい最近のこと。

型にはまった男の話であったが、今回の話の主人公もまた
堅気な仕事に就き、どこか息苦しさを感じていたのだろう。

 

そしていつしかその姿はチェーホフの心のなかに
あったものではないかと感じる。

 

うんと羽目を外してみたい、うんと恋をしてみたい。
そんな心の叫びが小説に反映されたのではないかと、
思わずにはいられない。

 

ということで、悲哀に満ちたチェーホフの作品が続いているが、
次はどんな雰囲気の作品が待っているのだろうか。

 

 

 

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