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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

黄金の庭:高橋陽子

本の紹介(女性作家た行)

黄金の庭:高橋陽子著のレビューです。

黄金の庭 (集英社文芸単行本)

黄金の庭 (集英社文芸単行本)

 

 

◆池の蓮からお釈迦さまが生まれるシーンが印象的!

 

 

全体的におだやかな日常を描いた小説なのだけど、
強烈な不思議な出来事がちょいちょい出てくるのが面白い。

 

とはいえ、児童書にあるような不思議さとはどこか違う雰囲気を
もっている「黄金の庭」。

 

この町に引っ越してきた青奈と那津男が日に日に目にする
町の出来ごとに驚きながらも、それがいつしか日常になっていく。

 

お寺の閻魔さまが動いたり、池の蓮から毎日お釈迦さまが生まれたり、
思わず買ってしまった指輪がしゃべり出したり・・・。
でも、ここの住人たちはこれらを普通のことと受け止めている。

 

そして、何といっても強烈な印象を残したのは「アーちゃん」という
捨て子の存在。その悪童ぶりがすごいんだけど、これまた町の人々は
動じない。

 

もう一人。こちらは大人の千ちゃん。
独特なキャラクター。モテモテで女関係が激しいこの千ちゃんの
過去とアーちゃんの存在が徐々に分かり始める過程も面白い。

 

なんとも掴みどころのない話のようで、人間関係には
複雑な事情があったりと、妙にリアルだったりもする分、
どっぷりファンタジーな気分とまでは行かないのが魅力とも言える。

 

お釈迦さまが生まれるシーンは幻想的で魅力的。
「ひょっとしたらあの池も・・・」と、同じような池が近所に
ありそうな気がしてくる。

 

お花が咲いたり、虫が生まれたりするのと同じ感覚で、
お釈迦さまが生まれる・・・日々そんな光景を見ていたら、
この小説のようにそれが当たり前になるのかなぁ。

 

ほのぼのした雰囲気だけど、退屈することなくあっという間に読了。
サラッと読めたけど、結構心に残りました。他の作品はどうなのか
気になるところです。

 

ちょっとした大人のファンタジーが読みたいときにおすすめです。