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勝山太夫、ごろうぜよ:車浮代

 勝山太夫、ごろうぜよ:車浮代著のレビューです。

勝山太夫、ごろうぜよ (招き猫文庫)

勝山太夫、ごろうぜよ (招き猫文庫)

 

 

 

男装の麗人として一世風靡した勝山太夫。よ!日本一!

 

 

軽快、軽快!
文章を読んでいるというより、コミックを読んでいる感覚で

読めるくらい読みやすく、あっという間に終わっていました。

 

主人公「勝山」は、ある事件をきっかけに湯女風呂で働くことになった。
彼女は大柄で教育もなく、愚図でこの先の行方が心配だったところ、
細工師の銀次がしばらく預かって一から彼女を磨けあげてみせると

名乗り出る。

 

やがて彼女は今で言う研修期間を終え、お披露目の日を迎える。

 

「どうぞ見てやっておくんなせえ!」

 

白地に大きなもみじの柄が入った派手な小袖に、
黒の着流しを重ね着て、細身の大小刀を差した、
粋な男装姿で勝山は登場したのだ。

 

それを見た客たちは驚きを隠せず息を呑む。
隣部屋にいた娘たちにいたっては襖ごとなだれ込んできたくらいだ。

 

しかも大酒のみでいくら呑んでも潰れない勝山。
お客と呑みの勝負で、お店の売り上げにも貢献するようになる。
彼女は江戸一の人気者になり、客として武士までもがやって来る。

 

さて、本書は彼女の出世話だけでなく、なかなか濃ゆい人間模様も。
お勝の恩人であり姐として慕っている市野。
市野は銀次の恋人でもあるのだが、この3人の恋愛模様は
どの人の気持ちも切なくもどかしい。

 

勝山も格好いいが、私は市野姐さんの粋で人情深い人柄に
とても惹かれるものがありました。

 

・・・と、しっとりした感想になっていますが、
内容的には江戸情緒満載で人々は終始ドタバタしていて楽しいです。

 

勝山太夫はてっきりこの物語の中の人だと思ったら、
実存していた人物であるらしいです。
(よく見たら、冒頭文に「実存」とかいてあったわけだが・・・汗)

 

湯島ではじめて「外八文字」を踏んだ遊女として

伝説になっているそうだ。「勝山髷」の名で

世に語り継がれているというから驚きである。

楽しみながら「勝山太夫」という人物のことが知れて

ラッキーな1冊でした!