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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー・感想・あらすじ】泥酔懺悔

 

 

泥酔懺悔のレビューです。

 

感想・あらすじ こんなワタシに誰がした? ヨッパな女性作家11人のエッセイ!

 

お酒まつわる話って、どこへ行っても尽きないなぁーとこの本を読んで改めて思う。
しかも、お酒に関する失態なんかは結構みんな同じようなことしていて、本人にとっては穴がっあったら入りたい状態なんでしょうが、聞いている方は「あぁーあ、やっちゃったのね」と微笑ましい話として捉えることが多い。結局のところ、人物が変わっただけで内容は似たり寄ったりなんですよね。

 

そんな様々なお酒に関する話を、今をときめく11名の女性作家が、次々と語ってくれるのがこの本。下戸の作家さんの話もあるのですが、やはり酒豪系の方の話は面白い。

 

平松洋子さんは18歳のある夜の出来事を話す。
36年間、書いたこともない話という秘話で、アルコールが体の中をまわり、世界が崩壊し、サイレンの音が聞こえて来るという一連のシーンがとてもよく描かれハラハラさせられる。

 

そして、なんと言っても面白かったのは三浦しをんさん!
下半身裸でトイレで目ざめるに至ったことなどを包み隠さず披露。また、お葬式の場での「下戸一族VS飲酒派」という「あるある話」はクスクス笑ってしまうが、子供は酔っ払いが嫌いなどの話は本質をついているなぁーと興味深く読ませてもらいました。

 

 

 

 

これらのエッセイで「記憶をなくすほど」という言葉がたびたび登場する。
「覚えていない」というのは照れ隠しで使われ、これ以上昨夜のことは触れないで欲しいという意思表示のようなものに思えてたのですが、本書を読んでいるとどうも本当に「記憶にない・覚えていない」ということがあるのだと分かる。私個人は、どんなに酔っても「覚えてない」といった経験がないのでその「空白な時間」に少し憧れがあったりする。

 

角田さんも記憶がなくなるようで、その一歩手前の自分の様子を友人に教えてもらっている。ある行為に変化が出るそうだ。(本には書いてあります)面白いですよねぇ。

 

私の友人は12時にピタッと燃料切れのようにところ構わず眠り始める人がいるのですが、その人は11時30分過ぎあたりから、返事がいい加減になる。「あーそろそろ寝るね」と、気心の知れた同級生たちとチラチラ観察しつつ話は止まらずの夜が何度もある。「終点だよ」と何かのCMのような言葉を投げるとスッと起きあがる。これも毎度のお約束。寝る方も茶化す方も馬鹿のひとつ覚えのように繰り返します。

 

…ということで、11人分の話を読み終わるころには、ちょっとアルコール臭が漂っている感じです。爽やかな朝より、夜に読んだ方が一緒に酔えそうですよ。

以下の方々のエッセイです。

朝倉かすみ・中島たい子・瀧波ユカリ・平松洋子・室井滋・中野翠・
西加奈子・山崎ナオコーラ・三浦しをん・大道珠貴・角田光代

ちくま文庫