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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

レオナール・フジタ―私のパリ、私のアトリエ :ポーラ美術館

本の紹介(美術)

レオナール・フジタ―私のパリ、私のアトリエ :ポーラ美術館の

レビューです。

レオナール・フジタ―私のパリ、私のアトリエ

レオナール・フジタ―私のパリ、私のアトリエ

 

 

◆15センチ四方の中にいる子供たち

 

 

フジタ作品を66点収蔵しているというポーラ美術館。
日本最大級のコレクションだそうです。
本書はそのポーラ美術館監修の一冊。

 

3つの章で構成されています。

Ⅰモンパルナスのフジタ ──「素晴らしき乳白色」の誕生
Ⅱアトリエのフジタ ──空想への旅
Ⅲ小さな職人たち ──パリへの讃歌

 

「小さな職人たち」狙いで借りてきました。
というのも、「美の巨人たち」で取り上げられていて、
小さな正方形の世界に魅力を感じ、ほかにどんな絵があるのか

気になって、気になって。
(実は番組自体、ながら状態でちゃんと見てなかったから余計にねぇ)

 

すでにご存じの方も多いと思いますが、「小さな職人たち」は

15センチ四方の大きさで、ファイバーボードに油彩で描かれた絵は

200枚以上。アトリエの壁一面に飾られていたそうだ。

1枚1枚増えていくのは楽しかっただろうな~。

 

当時の様々な職業が登場するのですが、それらすべて子供たちが主人公。
刃物を研いでいる女の子。難しい顔をしてトランプをめくるトランプ

占い師の女の子。釣り師の男の子はいかつい顔でカエルを釣り上げている。

 

決して可愛いとか、愛らしいという顔(表情)ではない子供たち。
顔は大きいし、目はつりあがっている。首もないし、

見ようによってはちょっと怖い。
でもなんでだろう、ユーモラスな感じがするのです。

 

これらを見ていると、当時の職業事情も見えてくる。
現代のネイリストはマニキュア師として登場。

ペディキュア師も別にいます。

その他、すみれ売り、管理人、御者、浮浪者など当時「プティ・メティエ」
(しがない職業、職人仕事)と呼ばれ、パリの街角でよく見られた人々が
フジタ氏の手によって子供たちの姿に変身して現れる。

 

プティ・メティエの人々を身近な存在と感じ、自分と重ね合わせながら
描いたのであろうと思われる作品の数々。

 

フジタ氏と言えば、猫の絵という印象が強かったのですが、
こちらの絵にも心惹かれるものが多かったです。

 

落ち着いたトーンの素敵な一冊で、特にフジタ氏の写真は
最近撮ったものと言ってもいいくらい、ファッションもアトリエも
新しい感じがするのが不思議で素敵でした。