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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

アンティーク・シオンの小さなきせき:茂市久美子

アンティーク・シオンの小さなきせき:茂市久美子著のレビューです。

 

アンティーク・シオンの小さなきせき (ティーンズ文学館)

アンティーク・シオンの小さなきせき (ティーンズ文学館)

 

 

 

◆骨董品の気持ちが分かるって!?

 

 

古本屋さんも骨董屋さんも初めて入るときは

ちょっと緊張します。

でも、店員さんがいい感じで放っておいてくれると分かると

とても居心地がよくなって長居していたり・・・。

 

そういうところには、必ず「目が合う」ものがあったりする。

連れて帰るか否か・・・散々迷って泣く泣く帰るなんてことも

結構ある。この物語はそんな愛しいものとの出合いが

たくさん詰まった一冊なのです。

 

高原の町から歩いて1時間のところにある骨董店・アンティーク・シオン。

年齢不詳の魔女のような女性と黒い猫がいるお店。

 

うっとりするような骨董品の数々が置いてあるのですが、

なにせ林の中にあるようなお店、一体、どんなお客さんが

来るのでしょうか?いや、お客さんが本当に訪れるのかな?

 

心配は無用でした。

多くはありませんがこの店に吸い込まれるように人々がやって来ます。

どの人もこの店のあるじが遠い外国を旅して連れて来た品物に

きっと呼ばれたのでしょう。

 

品物とのステキな出合い、そしてちょっと不思議な体験を

する人々の話はどれも魅力的で温かいです。

 

さて、ここには物を買う人だけではなく、必要のなくなったものを

売りに来る人もいます。

 

「おばあさんのお皿」では、おばあさんがちょっと高価なお皿を

売りに来るのですが、店のあるじは「お皿の声」に耳を傾け、

お皿を引き取りませんでした。

 

あるじには骨董品の過去が見えたり気持ちが分かるというのです。

このお皿の過去を知ったあるじは、お皿がおばあさんと

一緒に居たほうが幸せだと判断したのでしょう。

 

この話から「マリーの首かざり」、「シオンの時間」へと

繋がってゆく展開は「おぉ!そうなのか」と、最終的には

とてもうれしく温かい風景に出会えるのです。

 

あっという間に読み切ってしまいましたが、

最後まで店のあるじは謎に包まれていたなぁ。

たぶん、魔女。あの黒猫ちゃんも妖しい。

 

このお店にある骨董品と縁がある人は、

いつかきっとこの店に行けるそうです。

お店に入って黒い猫が居たら要注意! いや、ラッキーです(笑)