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【感想・あらすじ・レビュー】あのこは貴族:山内マリコ

 

 

 あのこは貴族:山内マリコ著のレビューです。

あのこは貴族

あのこは貴族

 

 

感想・あらすじ 結婚という名のレースへと

 

結婚はゴール・・・なんて言葉がある。もちろん結婚はゴールではないことは解っているけれど、この小説を読んだら、結婚はひとつのゴールなんだなぁ、と感じずにはいられなかった。

 

だってだって、こんなにもいろーんな山々を超えないと辿り着けない「結婚」って場所。ゴチャゴチャ、グチャグチャしながらなんとか辿り着く「結婚」。そんな過酷なレースの扉が開いたがごとく、アラサー女性たちは日々様々な困難に立ち向かいながらゴールを目指してゆく。

 

 

 

 

東京生まれの箱入り娘のお嬢様・華子。父親は整形外科の開業医。
地方出身、上京組のOL・美紀。
ハンサムな弁護士・青木幸一郎。

 

華子は恋人と別れてしまい、結婚を焦った末、紹介で出会った青木幸一郎と婚約したのだが、青木は大学が一緒だった美紀とあやふやな関係を続行中。

 

やがて華子の友人を介して、青木と美紀の関係はあっけなくバレてしまい・・・というのが大まかな展開。婚約相手が別の女性と!?となれば、かなりの修羅場を想像してしまいがちですが、意外にも女の結束が固く、なかなか逞しい関係が形成されてゆく。

 

話の流れ自体はサラッとしたものですが、何が面白いって「や、あるよ、こういうのってホント」と思える点。上流階級の人々の生活行動や考え方など、いかにもな感じがそこかしこに漂っている。ありがちなセレブゥ~な場面、結構好きです。

 

大学のシーンなどからも幼稚舎からの内部生と、大学から慶應に入った地方出身者との格差、コンプレックス等々の様子が妙にリアルで生々しい。

 

第一章 東京(とりわけその中心の、とある階層)
第二章 外部(ある地方都市と女子の運命)
第三章 邂逅(女同士の義理、結婚、連鎖)
終章  一年後

 

4章からなる話はバラバラになっていた話が徐々に結集する形で収まってゆく。

さてさて彼女たちのゴールはどこにあったのか?はたまたゴールはなかったのか?
納得できる人生がこの先歩めるのか?終章をお楽しみに!

 

山内さんの作品、なんだかんだといつも一気読みだな。軽すぎず、重すぎず。そんな感じがすごく良い。そして女性ならではの細かいアイテム。読んでいてすごく楽しい。一冊読むとまたすぐ次を読みたくなる・・・そんな気分にさせられる作家さんの一人です。

文庫本

映画「あのこは貴族」

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