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うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

リボン:小川糸

本の紹介(女性作家あ行)

リボン:小川糸著のレビューです。

リボン (一般書)

リボン (一般書)

 

 

宝物は、一緒に過ごした時間のすべて

 

 

オカメインコの話の小説が発売されるということで、

とても楽しみにしていた1冊。

 

とはいえ、私自身、オカメインコと十数年過ごしていた経験、

そして、その愛鳥を失った辛さを考えると、最後まで読み切れるか

ちょっと不安でした。

 

もう随分前の別れだったのに、いまだに夢の中に出て来るオカメインコ
ペットロスが激しく、それから動物は一切飼えなくなってしまったのですが、
どこかであの優しい触れ合いの出来るペットと、またあんな時間が

持てたら良いな―と思っています。

 

・・・という経緯があったので、特にこの小説の前半部分、

少女とおばあさんが卵をかえすところから育てるシーンは、

懐かしいというか、完全にデジャブ現象でした。

 

「あーそうそう、こんな風に育てたなぁ。」とか、

「こんな表情するんだよなぁ…」とか。

ちょうど、この少女、ひばりちゃんと私も同じくらいの歳だった。

 

だから学校帰りにランドセルの中の音を感じながら、
ハコベの葉を摘んで、かけって家に帰った姿も全く同じ。
幼かった自分の姿を再現しているかのような感じでした。

 

「リボン」は1羽のオカメインコの物語。

このリボンはお婆さんの「すみれちゃん」のおだんご頭の中で卵の

時期を過ごします。

 

やがて、産まれて来て3人の穏やかで楽しい時間を過ごすのですが、

ある日、リボンは籠を抜け出し、空に消えていってしまった。

 

リボンは様々な人々のもとへ現れ、ふんわりし癒して、

温かい気持ちにさせてはまた次の場所へ飛んで行く。

 

ずっとこの少女の心の中にいた「リボン」。

 

どんな最終シーンが用意されているのか…。
私自身もずっと気になりながら読み続けました。

 

宝物は、一緒に過ごした時間のすべて。

 

本書のこの言葉にどれだけ感銘したことか…。

もう会えない自分のオカメインコの姿が思わず浮かび、

そうそう、確かに私の中で「一緒に過ごした時間」こそが、

大人になった今でも宝物になっていることに気づく。

この物語は私の長年の気持ちにすら癒しの効果があったわけです。

 

ということで、オカメインコへの思い入れの強すぎる私の読み方は、
おそらく他の人とまた違った感情が加わってしまい、あまり参考に

 ならないと思いますが、ペットを飼った人なら響く部分は

きっと一緒だと思います。

 

人と人を繋ぎ、幸せを運んでくれるこの小さな黄色いオカメと、
ふんわりした優しい時間になりました。

 

欲を言えば、もう少しお婆さんと少女とリボンの部分に

厚みが欲しかったかな…。
むしろ、それだけのストーリーでも十分だという気もしないでもない。

 

 

uzumaki-guruguru.hatenablog.com