読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

うずまきぐ~るぐる

本の紹介や日々のことをぐるぐるかきます

寿命図鑑:やまぐちかおり

寿命図鑑:やまぐちかおり著のレビューです。

寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑

寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑

 

 

◆嗚呼、寿命・・・悲しい響きではあるけれど。

 

 

寿命・・・悲しい響きではあるけれど、
「寿命だから」と、諦めとも納得とも言える意味も含むこの言葉。
「寿」がつくのだから本来はおめでたいことなのかもしれません。

 

本書は命あるものの平均寿命を集めたもの。
あの動物やこの植物、いつも居るような気がするけど
実は寿命が短くてびっくりさせられるものが多い。

 

「ほんとうはもっと生きられます」━━寿命2年
これは牛(肉)の叫び。本当は20年なんだけど、
2~3年育てられ、そして人のために加工されるという。

このような切なくなってしまうようなものから、
寿命100年のガラパゴスゾウガメまで、
まずは動物部門で「へー」「ほー」言いながらウォーミングアップ。

 

海の生き物、鳥、昆虫、植物と続き、
食べ物、モノ、機械、からだとなど続々と登場。

 

モノの主な例は、
「力士のまわし」寿命1年、「お札」寿命4.5年など、
思わぬものが登場して、「おぉ――」的な驚きも!

 

そして何といっても長寿は我々が毎日手にしている「本」。
本の寿命は紙の寿命ということで、洋紙は100年、和紙は1000年。
寿命としては350年になっていた。

 

ん~~、今手にしている本がこれから何百年も人とともに
生き続けるのかと思うと感慨深い。

 

他にも世界の人々の寿命や建物など、本当にたくさんの
例が登場するわけですが、私が一番面白いと感じたのは
「日本人の寿命」です。

 

日本人の長寿はもう誰もが知っていることですが、
じゃあ、縄文時代の日本人の寿命はどうだったのだろう?
意外に知らない昔の日本人の寿命が、時代ごとに明記されています。

 

明治や大正は老人介護とかどうなっていたのかな?
大家族だったから人手にも困らなかったのだろうか?
と、常々思っていたのですが、なんということもない。

 

明治は44歳。大正は43歳。
楽しそうに暮らしていた江戸の人々にいたっては

38歳というじゃありませんか。
ひょっとして老眼も経験しないままだったり?・・・

とまぁ、老後の心配をしている暇なくこの世を去っていたのですね。

 

昭和だって戦時中は21歳。50代を超えたのは昭和22年。
46年になり70代超え。

 

寿命に関しては本当に飛躍的に長くなっているのが解る。
私たちの寿命は明治の人々の2倍も伸びたわけです。

 

この先新薬の開発も進み、ますます寿命が長くなりそうな世の動き。
長生きは歓迎だが、福祉の充実がないままで長生きするのも
それはそれで大変なことである。

 

人間の寿命は一体幾つくらいが幸福なのだろうか?
・・・なんてことまでも考えてしまった「寿命図鑑」。

 

どの絵にも天国行きの黄色い天使の輪が頭上に描かれているが、
それがなんともキュートであり物哀しい。

 

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

 

お気楽に読んでいたつもりが、こんなフレーズまでもが
頭の中で回り出すという事態へ(笑)