うずまきぐ~るぐる

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世界中で迷子になって:角田光代

世界中で迷子になって:角田光代著のレビューです。

世界中で迷子になって

世界中で迷子になって

 

 

 

現地に幽体離脱しているな…という気配を感じる旅エッセイ

 

 

角田さんの今回のエッセイのテーマは「旅」と「モノ」についてで、
前半と後半に分かれています。

 

角田さんは「旅」をテーマにした話を書くのが本当に上手い

作家さんだと常々思っているのですが、それは角田さんご自身が旅人で、

旅の素晴らしさも怖さも知っているから。

 

さらに、自分の旅の弱点なども認め、それを包み隠さず

書き綴っているところに好感が持て、お友達の土産話を聞いている

感覚になるのです。

 

角田さんご自身、旅において自分はビビリであるとか、

荷物が少ないのはいいけど、臭くなるまでTシャツを着てしまい友達に

指摘されるとか、海に引かれた赤い線が本当にあると信じていたとか・・・。

 

落ち着いたしっかり者に見える角田さんの意外な一面が

見え隠れするのがとても面白い。

 

本書は旅好きなら、自分の旅の歴史を振り返りながら

確実に楽しめる内容だと思います。

 

特に若いころの旅と大人になった今の旅についてや、

最初に経験した旅の影響力など、自分の経験と照らし合わせながら、

共通点を見出すことがいつしか楽しくなり、また興味深く

読み進められます。

 

今回読んで思ったのは、角田さんは原稿に向かう瞬間から既に

仕事部屋ではなく、現地に幽体離脱しているな…という気配を

私は感じました。

 

PCの画面上でもしっかり「彼の地」を歩いている。
文字を打っているのでしょうけど、確実に見えているのは

風景なんだろうなぁーと。

 

そして角田さんの本自体が複写機になり、私たちに旅を

再現しているのかも?なんてことを思ってしまうほど、私たちも部屋に

居ながら「彼の地」へ導かれてしまうのです。

 

後半の「モノ」についてのエッセイで、「鍋」の話が出てきます。
お母様からもらった鍋について書かれたもので、ウルウルさせられる

話だったのですが、角田さんは至って冷静。

 

お母様の死を既にしっかり受け止め時が流れたんだなぁと

感じさせられた良い話でした。

 

エッセイはこうした作家さんの近況も含め、あの頃と今が比較できるし、
当時どんな気持ちで作品を書かれていたのかという「種明かし」のような

要素もあり、また違った角度から作品が見られるようになるという

読者にとってはもうひとつのお楽しみでもあります。

 

エッセイを欠かさず読む作家さんが私の中でも何人か居ます。
定期的に読むエッセイは、作家さんからの年賀状のようなもの。
ずっと会ってないけど元気なのか近況が聞ける場になっています。

 

 

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