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さようなら、私 :小川糸

さようなら、私 :小川糸著のレビューです。

さようなら、私 (幻冬舎文庫)

さようなら、私 (幻冬舎文庫)

 

 

◆少しずつ前が見えて行く。次のステップへ進む前の

       大事な時間の過ごし方が見えて来るようなお話が3つ。

 

 

中編が3つ。表題になっている「さようなら、私」という小説はない。
しかし、読んで行くうちにこれら3つの話は全てこのテーマの意味が
込められていると感じるはずです。

 

みなさんも転機を何度か迎えて来たと思うのですが、

そんな時どう過ごすかって結構大事ですよね。

 

次に向かう時に、そのままのスピードで立ち向かっていく

人も居るでしょうし、インターバルが必要な人も居ます。

 

ここに出て来る3つの話は、今までの過去を振り返りながら、
次のステップへ進む少し前の葛藤から出発までを歩んでいる女性達の話。

 

会社が嫌い、母親が嫌い、故郷が嫌い。でも、こんな自分が一番嫌い。

そんな鬱憤を抱えた毎日から脱出するために、

自分と向き合い、他人と関わる。

 

第一話は初恋の相手とひょんなことから再会し、彼と一緒に旅に出る話。

この話は、モンゴルの大地の雄大さがものすごく伝わって来る作品で、

主人公の女性の心の葛藤とは別にモンゴルが感じられる話で、

読んでいての旅行感が半端じゃない。

本当に大地に包まれている臨場感があります。

 

第二話は過去の消せない悲しい体験と母親との関係に

終止符を打とうとする女性の話。
こちらは舞台がカナダに変わる。幼少時代、特殊な環境で

育った彼女が生まれた土地に戻り何を思ったのか?

そして、どんなことに気づけたのか?

 

第三話は「おっぱいの森」という、妙なタイトルですが、
これがなかなか読ませる作品なんです。
母乳をあげたくても、その子供が居なかったら…
そんな絶望的な状況を救った場所とは…。

 

どの作品もサラサラ描かれているのですが、ズッシリ来ます。
どれも個性があり、甲乙つけがたいです。

 

3つの話を通じて感じたことは、分岐点に立った時に
近くに居てくれた人の存在って大きいなぁーということ。


ここに出て来る女性達も、孤独の中に居ますがそこから脱出できた
きっかけはやはり「人」と「愛情」なんですよね。
そして、ちょっとだけ、今居る場所から離れて眺めて見ることも。

人の力は偉大なり。そんなことを全身で感じました。

 

前回「私の夢は」と言うエッセイを読んだのですが、

小川さんご自身のモンゴル、カナダの旅のことについて

書かれていました。それら恐らく、この小説の取材を
兼ねての旅だったのだなぁーと読み終えたあとに気づき、

この2冊が繋がりました。

 

 

uzumaki-guruguru.hatenablog.com

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