マジョモリ:梨木香歩著のレビューです。
感想・あらすじ 私にもこんな招待状が来ないかな~♪
ある朝、目ざめたら「まじょもりへ ごしょうたい」と手紙が…
こんな時、怖いと取るか、ワクワクした気分になるか、子供の性格にもよると思うのですが、私は間違いなく後者。ポーッとなって、そして好奇心から来るワクワクが止まらなくなりそうです。
主人公のつばきも不思議な植物のつるの先の案内に導かれ、不思議と思いつつも家を飛び出すのです。
大人たちは「御陵」と呼ぶ場所。
しかし、子どもたちは「まじょもり」と呼んでいるこの森の中でどんなことが起こるのでしょう?
つばきの家は代々御陵の横にある神社の神官の家という設定で不思議なムードが早くも漂いはじめます。
「御神饌(ごしんせん)」など普段あまり目にしないようお菓子が登場するあたり、ちょっとした異空間を感じたりします。
この話にはふたばちゃんというお友達が登場します。
この子はつばきにとってとても身近な存在の人なのですが、元来こんな形で会うことはないという設定。時間軸に少し戸惑うが大変面白い。出来ることなら私もこんな経験が出来たら、すっごく楽しいだろうなぁーと思ったりもした。
そして、もう一人の女性を含め三人の森の中での不思議な「お茶会」が始まります。
つばきとふたばちゃんの微笑ましい会話と「野原の味」がするお茶を飲みながらとっても癒された世界に読者も入っていきます。
このもう一人の女性は「ハナちゃん」というあだ名で呼ばれています。
彼女の正体は一体?
挿し絵が「薄みどりいろ」ベースでとても清涼感漂うさっぱりした絵でこの内容にとても合っています。
大人になってもこんなステキな招待状がいつか届かないかなぁ…とちょっとだけ夢が見られるような話でした。
「マジョモリ」「魔女森」…何故カタカナなのかとても気になった。けど、こうして2つを並べるとなんとなく解る気がするのです。
「魔女森」にすると、なんか重い、怖い。けど、カタカナだと不思議だけど明るい。
きっとそんなムードを梨木さんは出したかったのだろうなぁーと勝手な想像を無駄にしてみました。