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ノスタルジー1972

ノスタルジー1972のレビューです。

ノスタルジー1972

ノスタルジー1972

 

 

 

◆1972年、なにしてた?

 

 

1972年はどんな年だったのか?

自分の年齢を逆算してみたけど、具体的に何があった年なのか

さっぱり・・でしたが、この本を読んで「あの事件や出来事は

1972年だったのか」と。

 

札幌オリンピック連合赤軍あさま山荘事件

日中国交回復、カンカン・ランラン来日、

グアム島横井庄一発見…等々、結構大きな出来事が続いた1972年。

 

まだまだ子供だった自分は、カンカン・ランランの来日が

一番印象に残っているかな。あんな可愛い動物が居ることを

初めて知った。とはいえ、あの時、上野動物園に行こうと

親にせがんだ記憶もないので意外に冷めた目で見ていたのかも(笑)

 

・・・なんてことを考えてしまったのが、重松清氏の「あの年の秋」。

世の中は「恍惚の人」がヒットしていた。認知症という言葉がなかった時代。

老人が呆けてくると「おばあちゃんが恍惚の人になっちゃった」と、

子どもたちまでもが口にする言葉になっていた。

 

横井さんの発見によっておばあちゃんに変化が起きる。

戦争で失った息子のことを想う気持ちが胸を突く。

パンダがやって来るという興奮状態の子供。

そして誰もが年老いてゆくという年月の流れ。

 

重松氏の小説は時代を纏いながら、

主人公が長い年月を振り返るとても切ない小説。

 

中島京子、早見和真、朝倉かすみ堂場瞬一重松清皆川博子

 

6人の作家の描くアンソロジーは、その作家が1972年の

どこにフォーカスを当てて物語を綴るのかが楽しみな1冊。

 

個人的には初読みの作家さんたちも多く、それなりに楽しめた。

そしてやはり話の斬り込み方が上手いのが中島京子さんの

川端康成が死んだ日」です。意外な形で川端康成氏が登場。

一気に川端康成という存在が目の前に現れては消えたような

ラストシーンは秀逸でした。

 

貴方にとっての1972年はどんな年?

計算したら45年も前なんですね。

そうなのか・・・(溜息)